予想外ではあった。馬淵史郎というのは「守旧派の首魁」とでもいうべき指揮官だったし「全員バントができるような人選」というのも「ありえない」と思っていた。多くの関係者も同意見だったが優勝した。まずは不明を詫びる。
日本の戦績を見ていこう。

U18-01


ヨーロッパ圏のチームに強いのはいつもの通り。
中米もこの世代は「将来へ向けた育成」が中心なのでそれほど強くない。
アメリカはさすがに強いが、強打を最終回(7回)まで封じることができたのが大きかった。
オランダ戦、日本はわずか1安打、オランダが繰り出す3投手の前に沈黙した。

スーパーラウンドでは、韓国戦に大勝したのが大きかった。安打数は日本7安打、韓国6安打だったが、日本は2回には振り逃げの走者が出てスリーバント失敗したものの長打が出て先制、6回には山田の本塁打などで追加点を挙げた。
しかし台湾では初回、失策をきっかけに初回から3失点、2回、3回には犠牲フライで加点され、日本は追いつくことができなかった。

スーパーラウンドを終えた時点での順位表

U18-02



スーパーラウンドの順位表はこのラウンドに出場したチームの1次リーグの勝敗表を加味しているためこうなる。
この時点では台湾が圧倒的に強く、日本はオランダ、台湾に負けたために2位だった。

3位決定戦と決勝戦。

U18-03


日本は台湾に先制されたが、4回四球で出た打者をバントで送り、内野安打で一三塁、ここでスクイズを仕掛けたがエラーが絡んで2人が返ってきた。守備の乱れに付け込んだ形だ。

馬淵監督が言及した「バント」が勝利につながったと言う形だ。

日本はWBCで、1度目は負けても再戦した時に勝つことが多かった。アナリストがデータを蓄積して試合に役立てたのではないか。

もう一つ痛感するのは「韓国の地盤沈下」だ。かつては、日韓が東アジアの2強だったが、今は台湾の方が明らかに強い。
野球が五輪競技でなくなってから、兵役免除などの得点がなくなり、若い世代が野球を選択しなくなったと言う。WBCでも1次ラウンドで手もなく敗れたが、韓国の野球熱が冷めているのではないかと思う。
たまたま韓国でKBOの試合を見ているが、内野守備の大雑把さ、そして大振りはするが、フルスイングができていない打者を観るにつけ、韓国野球は進化していないのではないかと思う。

馬淵監督は「勝利は得るが選手を育てない指導者」として有名だった。NPBで活躍しているのはDeNAの伊藤光などわずかだ。投手を酷使して潰す指導者としても有名だった。バント戦法は功を奏したが、U18に出る選手たちが「バントを武器にする」ことなど考えられない。「勝ちにこだわった結果」だと言えよう。

私は2度ほど話をしたことがあるが、私が「球数制限」について取材していると知ると「そりゃ球数制限は大事よ」と言った。そういう世渡りのうまさもあるのだと思う。これでまた「名将」と言われるのだろうが、進歩的な指導者は困惑していると思う。

さらに言えば高校球児のレベルアップがあっただろう。「目的意識をもって団結することができる」その賢さが勝利に結びついたと言える。またここに出ている選手の多くは日常から木製バット、低反発金属バットを使っている。これも良かったのではないか。


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NOWAR



先発全員奪三振達成投手/1994~2023