2022年春、前年、久々に優勝したオリックスの宮崎キャンプを取材した。オリックスのキャンプは一、二軍が合同で行う。メイン球場のSOKKENスタジアムと第2野球場は背中合わせにある。
一軍の選手を見てから二軍選手を見に行くのも簡単だし、取材には便利なキャンプ地だった。
二軍の小林宏監督に話を聞いたのだが、二軍球場で杉本裕太郎が打撃練習をしていたから「杉本選手は、どのタイミングで一軍に上げるんですか」と聞いたが、小林監督は「え?」という表情だった。
そして横にいた広報に「教えてないの?」と聞いた。広報は私の腕を引っ張って離れた場所に連れて行き「オリックスは一軍二軍ではなくA組、B組でやっているんだ。実力で分けているんじゃないんだ」と言った。

ずっと貼りついているスポーツ紙の記者なら当然知っていただろうが、スポット的に取材している私はオリックスのキャンプの編成が変わったことを知らないまま、とんちんかんな質問をしていたのだ。

中嶋聡監督は「自分が気になる選手、しっかり見てみたい選手」をA組にして、その選手の打撃フォームや守備をじっくり見ているのだ。そして「選手に任せておいても大丈夫」な選手は主力であっても、B組キャンプでやらせていたのだ。

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そして投手はトラックマンやラプソードなどで様々なデータを取りつつ、個別で仕上げていく。宮崎キャンプには10人が同時に投げられるブルペンがあって、先発は山本由伸、救援は平野佳寿が中心になってチームで状態を上げていく。もちろん、中嶋監督が目を光らせているのは間違いないが、投手がチームになって切磋琢磨するのはWBCの投手陣とよく似ている。

中嶋監督はこう言う形でキャンプ中に選手をしっかり把握して「これは」と思う選手は、オープン戦で試してみる。
今季開幕から独立リーグ上がりの茶野篤政や、一軍経験のなかった山下舜平大を抜擢したのは、中嶋監督がしっかりポテンシャルを見極めた結果なのだ。

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シーズンが始まってからも東晃平が抜擢された。

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山田久志からダルビッシュ有、大谷翔平までを見てきた中嶋監督の鑑定眼はただモノではないのだ。

そして選手が行き詰ったときには、起用法を変えることで再生を促す。
今年、中継ぎで活躍している山岡などはその好例だ。

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もちろん、こうした起用が「成功した」からいえるわけで、あくまで結果論ではあるが、中嶋聡監督の選手起用は、一つ一つ「説明がつく」ことが多いのだ。

新庄監督の「なんとなく采配」や原辰徳監督の「何でもかんでも采配」などとは違う説得力があるのだ。

岡田彰布采配は、中嶋采配よりもオーソドックスで保守的だが、それでも「説明がつく」。

オリックスのリーグ3連覇はもはや秒読みだが、これはラッキーでもまぐれでもない。中嶋監督とチームの説得力のある取り組みの結果なのだと思う。


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先発全員奪三振達成投手/1994~2023