私はラジオ局の打ち合わせ室で、斜め前に中居正広がいて、煙草の箱をくるくるさせながら話しているのを見たことがある程度だ。親族にジャニオタがいるが、それも特別なことではないだろう。
しかし、ジャニーズが手のひら返しをされて、CMから次々におろされているのを観ると、何やら複雑な気持ちがする。
彼らがCMに出られなくなったのは「史上まれにみる性犯罪者」が取り仕切っていた会社に所属しているからだ。彼らにスポンサー料を支払うと言うことは、当事者は死んだとは言え、性犯罪者の一族が経営する企業に利益をもたらすことになる。それは社会的責任の大きな大企業として、許されることではない、という理屈だ。

こうしたスポンサー企業がジャニー喜多川の性犯罪を知っていたかどうかは、あまり問題ではないだろう。企業はタレントの広告的価値を単純に評価して契約するのだから。広告の企画立案の席で「このタレントは、人権問題を抱えていないだろうな」とはふつう言わない。

しかし、ジャニーズを使った広告を企画し、企業にプレゼンして、契約を仲介している広告代理店は、より深く、密接にジャニーズ事務所とかかわっていたはずだ。広告代理店は、放送局とも密接につながっている。むしろテレビなどのメディアよりも深く関与している可能性があるのだ。

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今回、スポンサー企業が手のひら返しをした背景には、代理店が「もうヤバいです。あそこもCM打ち切ります。やめた方がいいです」と企業に進言していたことがあるはずだ。

大企業と言うのは社会的信用が何より大事だし、このスキャンダルは世界も注目しているから、なおさら手っ取り早く手を引くべきだと判断したのだろう。

スポンサー企業がそういう判断をするのは妥当だとは思う。ジャニーズが「社会から干される」のは仕方がないのかもしれない。
この流れは当分止まらない。テレビの番組からもジャニーズ所属タレントは消えていくのだろう。

それは確かに「正義」なのかもしれない。しかしジャニーズ所属のタレントにとっては、ここまで一生を賭して頑張ってきた自分たちの活動が、突然すべて否定されのは、耐え難いことではあるだろう。

小さいころ、小学校の同級生の親が、事件を犯して新聞に載ったことがある。それを読んだうちの母親などは「もうあの子と遊んではダメ」と言ったが、彼の周囲から友達が一瞬でいなくなった。その子はほどなく転校したが、その時の手のひら返しの激しさと、今のジャニーズが置かれた境遇は、よく似ているように思う。

確かにジャニーズのタレントたちはジャニー喜多川の犯罪を看過してきたのかもしれない。また彼らがメディアで活躍することで、結果的に喜多川の懐を潤してきたのかもしれない。

しかし、大の大人のテレビ局の社員、広告代理店の社員でさえ、ジャニーの犯罪を永年見て見ぬふりをしてきたのだ。年端も行かぬ少年が、何かを言い出せるはずもないと思う。
何より今回の犯罪を直接告発したのは、テレビや代理店ではなく「やめジャニ」のタレントたちだったのだ。

突然始まった「ジャニーズ所属タレント狩り」は、ここまでジャニー喜多川という妖怪を増長させたメディア側の不作為、消極的加害の責任を、タレントにすべておっかぶせる「責任転嫁」だと思う。

タレントが失脚するのであれば、そのタレントを汚らしい妖怪の息がかかっていると知りながら起用し続けたメディアの当事者たちも、立場を失ってしかるべきではないのか。


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先発全員奪三振達成投手/1994~2023