監督が交代すると言うことは、チームの方針が変わることであり、とりわけ影響を受けるのがデータ部門だ。
NPBの球団の大部分では、アナリストを雇用して、データをチームの戦略、戦術や選手育成に活用しようとしている。トラックマンやホークアイ、ラプソードなどの弾道測定器を入れ、モーションキャプチャーなどの機材も入れて、機器の操作や分析をするアナリストも雇用して、練習や試合ごとに膨大なデータを作成し、指導者や選手に資料を提供し、レクチャーをしている。

その流れは一部球団を除いて、ほぼ定着しているし、球団の経営陣も理解しているのだが、いわゆる「現場」、つまり監督、コーチの受け止め方は実に様々だ。
データをしっかり理解して、アナリストと共に選手を指導するような指揮官も言えば「ああ、わかったよ」と適当にあしらう指導者もいる。
中には自分の指導と食い違うデータが出ると「いい加減なデータを出すな」と食って掛かるコーチもいる。

指導者が交代すると、コーチ陣も変わるので、データに関する対応が替わることも多い。
古い話だが、バレンタイン監督時代の千葉ロッテは、アソボウズ、データスタジアムのデータを積極的に活用し、試合に役立てていたが、バレンタインが退任すると、コーチングスタッフも変わって、データ活用をほとんどしなくなった。

中日ドラゴンズはそれほどデータ活用が盛んな球団ではなかったが、与田剛監督から、立浪和義監督になって、データはほとんど顧みられなくなったようだ。

同様に、巨人の原辰徳監督もデータ活用に熱心ではなかったが、それでも巨人は、清武代表の時代から「データ野球」に多大な投資をしてきただけあって、一部にデータを活用していたはずだ。しかし阿部慎之助新監督は、そういうのが大嫌いなようだ。
デイリー
巨人・阿部新監督 フライボール革命に“NO” 「(日本人で)3割30本打った人いる?」と疑問

フライボール革命は2010年代後半からメジャー各球団が取り入れ、球の下半分をたたくことで、外野まで飛ばす打法。「アレをやって(日本人で)3割30本打った人いるの?聞いたことない。何でアレをみんなやるの?」と疑問も呈した。
「日本人は日本人なりのがあるでしょ」と新監督。通算406本塁打を放った実績の持ち主の言葉には説得力があった。


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デイリーの記者も、阿部慎之助も本当に勉強不足だ。「フライボール革命」は、統計的に「外野に飛ぶフライの方が、内野ゴロより安打になる確率が極めて高い」という答えが出る中で、確率が高い外野フライを狙う打法だ。
そのために、一定以上のバットスピードで、一定の角度(バレル)でバットをボールに当てることを意識し、練習する。

日本人打者ができていないのは、バットスピードが遅い上に、フライボールを打つと言う意識が希薄だからだ。
確かに、データ専門家の間でも、フライボール革命に対して批判的な意見もある。ただただ打ち上げるだけの野球は、高度な技術論や作戦を無意味にするし、あまりにも単純すぎる。

しかしそうした批判は「フライボール革命とは何ぞや」をしっかり理解してこそ可能になる。

阿部慎之助は「なんでアレをみんなやるの?」というが、一定の角度で速い打球を打ち上げれば、本塁打、安打になる確率が高いから、みんなやるのだ。

それを知ったうえで批判するのならともかく「日本人は日本人なりのがあるでしょ」みたいな意味不明を言うのでは、采配を振るう前からがっかりだ。

「昭和、平成の野球」は今、どんどん陳腐化している。そんなことも理解していない指導者が監督になるようでは、だめだこりゃ、である。



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