ぱっちは、股引、ズボン下、東京では、すててこなどともいう。「すててこ」は、厳密には「半股引」つまり半だこのことだ。明治時代の人気者、初代三遊亭圓遊が、寄席で尻はしょりをしてすててこを見せて踊った「すててこ踊り」は一世を風靡した。
「むこう横町のお稲荷さんへ、一銭上げて」「そんなこっちゃなかなか真打にゃなれない、あんよを上げてしっかりおやりよ」私は林家彦六で見たことがある。
まあ、しかし「格好の良いアンダーウェア」とは言えない。子供のころ、寒くなると、母親がぱっちをはかせるのが嫌だった。靴下やパンツからちょっとぱっちが見えると、子供仲間が「ぱっち履いてる」とはやし立てるのだ。軟弱の象徴のようでもあったし、そもそも格好悪かったからだ。
うちの親父は田舎者だったから、夏でも半だこ、すててこをはいていた。冷房で腹が冷えるのを恐れていたのだ。親父はさっそうとした格好の良いサラリーマンだったが、それだけは格好悪いと思った。


社会に出てから、冬になるとぱっちをはいたが、社員旅行などで、同僚や後輩と温泉に入るときなど、ズボンの下にはトランクス一丁だけ、みたいな姿をみると、どこか気が引ける気がして、ぱっちを素早く丸めてロッカーに押し込んだりしたものだ。
しかし、である。秋の気配が深まって、裾の方から寒気が這い上がるようになって、ぱっちに初めて足を通す時の、足首から太もも、腰までを一瞬で包み込む暖かさ、その頼もしさはなんたるものだろう、と思う。ぱっちさえズボンの下に忍ばせれば、私は北海道だって、極北の地だって、いや月面にだって行けるのではないか。ぱっちさえ履けば、どこにでもいける、なんでもできる。一瞬だがそんな万能感に包まれるのだ。
昨日までの京セラドームは、むんむんとした熱気に包まれ、着ているものを1枚脱がないといけない状態だった。ぱっちなど必要ないと思ったが、関西地方も朝夕冷え込んできた。
今日からは甲子園だ。いかにあほの阪神ファンが騒ぐと言えども、アルプス席は冷気が忍び寄るに違いない。

そこで妻に「ぱっち、ある?」と聞くと「タンスの中にあるで」というので「履いてもええかなあ」と聞くと「もうええんちゃう?」とのことだったので、今日からぱっちを装着して、颯爽と甲子園に行くことにした。
今日の私はいつもより、背筋が伸びているはずである。
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1972年外木場義郎、全登板成績【3度目の無安打試合達成】
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うちの親父は田舎者だったから、夏でも半だこ、すててこをはいていた。冷房で腹が冷えるのを恐れていたのだ。親父はさっそうとした格好の良いサラリーマンだったが、それだけは格好悪いと思った。
社会に出てから、冬になるとぱっちをはいたが、社員旅行などで、同僚や後輩と温泉に入るときなど、ズボンの下にはトランクス一丁だけ、みたいな姿をみると、どこか気が引ける気がして、ぱっちを素早く丸めてロッカーに押し込んだりしたものだ。
しかし、である。秋の気配が深まって、裾の方から寒気が這い上がるようになって、ぱっちに初めて足を通す時の、足首から太もも、腰までを一瞬で包み込む暖かさ、その頼もしさはなんたるものだろう、と思う。ぱっちさえズボンの下に忍ばせれば、私は北海道だって、極北の地だって、いや月面にだって行けるのではないか。ぱっちさえ履けば、どこにでもいける、なんでもできる。一瞬だがそんな万能感に包まれるのだ。
昨日までの京セラドームは、むんむんとした熱気に包まれ、着ているものを1枚脱がないといけない状態だった。ぱっちなど必要ないと思ったが、関西地方も朝夕冷え込んできた。
今日からは甲子園だ。いかにあほの阪神ファンが騒ぐと言えども、アルプス席は冷気が忍び寄るに違いない。

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今は洒落たステテコが増えて、見ることはなくなりましたね
パッチは関西特有の呼び方でしょうか