私はもともとマーケテイングの仕事をしていたので、スポーツチーム、運営会社のマーケティング戦略には大いに興味がある。
NPB球団について言えば、ファンクラブを中心とするヘビーユーザーをメインターゲットにしたリピーター戦略はすでに飽和状態にある。囲い込んだファンは年々高齢化する。新規顧客の獲得は鈍化する。ルーティンのマーケティングはマンネリ化する。その循環の中で、マーケティング担当者は奮闘しているのだ。

上位のレベルでは、リピーター戦略の限界から、新たなマーケットの開拓をより大きなスケールで始めている。その代表格が日本ハムであり、エスコンフィールド北海道だ。
いわゆるリピーター戦略では、特定の顧客に濃厚なアプローチをかけて、いろいろなものの購入を促進する。その繰り返しだ。しかし顧客に富裕層は少なく、客単価はそれほど高くない。またマーケティングには大変なコストがかかる。

新しマーケティングは、次世代の「ボールパーク構想」を前提としている。基本的に「ガチの野球ファン」は相手にしていない。球場を中心にした「リゾート空間」での半日の「滞在時間」をゆったりと過ごしたいという人たちが相手だ。ホテルのスイートのような特別室で、食事を楽しみながら「ときどき試合を観る」ような富裕層や、企業の接待に野球観戦を利用するような経営陣など。その周辺にはそこまで金持ちではないが、観光気分で野球を楽しむ「ライトユーザー」がいる。

IMG_6856




多くの球団はそちらのマーケティングに軸足を移そうとしている。その方が将来性があると判断しているからだ。
ここまで盛り上がっていても、既存の野球ファンは確実に減少している。野球界は新たなターゲット層の開拓に躍起になっているのだ。

こうした球団のマーケティングは非常に興味深いが、私はファン=コンシューマーも、こうした球団のマーケティングに簡単に載せられないでほしいと思っている。つまらないもの、二匹目のドジョウを狙うようなものには「なんやこれ、けっ」と言うような賢さが欲しいと思う。「入れ食い状態」を常態化してしまうのでは、新たなファンが流入しない。
マーケティングが知力を尽くすのなら、ファンもそれを見極める「知力」を養ってほしい。



私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!



2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】

NOWAR