今の岸田文雄政権を一言で言えばこういうことになるだろう。レームダックだ。
レームダックとは、足の不自由なアヒルのことだが、もともとがよちよち歩きのアヒルが、足が不自由になれば、誰にでも容易に捕まえることができる。それだけ弱り切った状態のことだ。

減税対策や「異次元の少子化対策」など何をやっても支持率が上がらないところに、大阪万博の不人気、さらに「派閥パーティ」をめぐるキックバック、裏金事件と、いくつもの逆風が押し寄せている。
週が明ければまた内閣支持率が発表されるが、20%を割り込む数字が出てくるのではないか。

前にも言ったが、岸田文雄は「何事につけても無能な宰相」ではある。国民が納得するような胸のすく政策は打ち出せないうえに、喋りが上滑りで、気持ちが入っていない印象を与える。息子を巡る公私混同も報道された。

23924104_s




ただ不思議なのは、この首相は「失言らしき失言」もしていないのだ。いつも慎重に、当たり障りのないことを言うからだろうが、要するに良くも悪くも、新聞ネタになるようなことをほとんど言わないのだ。

支持率低下のベースにこうした「人気のなさ」「カリスマ性の欠如」があると思うが、今、畳みかけて責められている事案は、実は岸田文雄とはあまり関係がない。

大阪万博の案件は、橋下徹、松井一郎ら維新の面々が、思想的に近い安倍晋三にプッシュして推進したものだ。岸田は直接には関係がない。今になって国家プロジェクトとして重荷を背負わされているのだ。

さらに派閥パーティを巡る裏金事件、岸田派も多少関与しているが、ほとんどは最大派閥である旧安倍派の問題だ。

何度か触れたが、岸田文雄にとって、最大の政敵は野党の立憲民主ではなく、旧安倍派=清和会だ。安倍派は保守だが、岸田率いる宏池会はリベラルだ。思想面でも政策面でも全く異なる。
本来であれば、万博の問題も派閥パーティの裏金問題も、政敵の失策であり、岸田にとってはプラスのはずだが、そのダメージをなぜか岸田がもろに食らっているのだ。

岸田政権はまさしく死に体になろうとしているが、気持ちが悪いのは「次はだれ?」というのが全く見えないことだ。政敵の安倍派は裏金問題の真っただ中で次期総理総裁候補どころではない。
野党などとんでもないと言う雰囲気で、岸田はやめようにも、やめられない状況になる印象だ。

こういう時にはダークホースだが、外相の上川陽子あたりが立ってもいいのだと思う。女性の政治家では飛びぬけて有能だ。岸田派の中では珍しくタカ派の論客ではあるが、男性議員のようなだらしなさはない。

初の女性宰相が国難を救えば、これほど格好の良いことはないと思うが。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!



2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】

NOWAR