大谷翔平の記者会見での日本メディアの質問について「記者会見のやりとりなんて、こんなもんじゃないのか」という見方もあるにはあろう。政治家に対する記者の質問もゆるいことが多い。
ここはとりあえずスポーツ、野球に絞るが、日本メディア取材姿勢の何が問題なのか?

まず、新聞メディアもテレビも、取材の前から「予定稿」のようなものがある。テレビであれば何秒でどこに入れるかも決まっている。そして事実関係など、情報の整理も終わっている。
あとは日時や具体的な数字を入れて、空いた部分に「コメント」を入れるだけ。取材前に「大体の流れ」ができていて、そこにコメントをトッピングするだけなのだ。

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その枠組みに大きな変更が出るのは都合が悪い。入団会見なら「うれしいです」「がんばります」「緊張します」だ。例えばそこで「本当は入団したくなかった」とか「入団にいたるこまごました事情」とか「本人の思い入れ」などが、長々と続いたとしても「尺に会わない」「文字数がオーバーする」から困るだけだ。
だから予定調和的な答えが返ってくるような質問しかしない。

もう一つ、質問者自身が、スポーツ、アスリートのコメントについて「あまり期待していない」ことがある。アスリートの発した言葉から、深い意味を見出してさらに掘り下げるようなことは考えていない。そもそも「スポーツなんて面白くない」と思っているメディアが大半なのだ。
「視聴者に受けるような面白いコンテンツは、俺たちが作る。スポーツはネタに過ぎない」という認識だ。そしてくだらないワイドショー的な、あほでもわかるコンテンツを垂れ流すと言うことになるのだ。

さらに言えば「取材源の機嫌を損ねたくない」。特に民放や新聞社は「出禁」を何より恐れる。取材源にとって都合の悪いことや、取材源の機嫌を悪くしそうなことは絶対に質問しない。揉み手をして愛想笑いをして「ファンにひとこと」とか「この喜びをだれに伝えたいですか?」などと聞くわけだ。

大谷翔平の記者会見では「犬っころの名前」が出たことで、日本メディアは大喜びしたはずだ。「右ひじの状態」とか「コントラクトの内容」とか、あほな視聴者にはわからないネタが真ん中に来なくて本当に良かった。

だから、大谷翔平の報道は、どれだけたくさんあっても「野球人気の高まり」には、それほどつながらない。日本の犬の名前が変わるのが、せいぜいのところなのだ。


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