サブスク、つまり定額の費用を払って商品やサービスを受け取るビジネスモデルは、今、流行している。
コンシューマーの側に立てば、サブスクを利用したいと思う商品、サービスは

1.金を払ってでも得たい(読みたい、食べたい、使いたい)もの
2.金を払わないと得ることができないもの
3.同様の商品、サービスを継続的に得たいもの


ということになろう。支払うサブスク費用は、継続的である分、安価で経済的負担を感じさせないような価格であることが前提になる。つまり高くはできない。

商品、サービスを提供する側は、

1.特定のターゲットに深くささるもの
2.何度でも購入してもらえるもの


を提供しなければならない。またサブスクの費用は、通常は非常に安価だから

3.できるだけ多くの人に購入してもらえるもの

ということになろう。1と3は矛盾している。

最近、スポーツ紙やフルカウントなどのメディアが、サブスクで「特別の記事」を配信しているが、果たしてうまくいくのかと思う。

まず、その内容が「金を払ってでも読みたい」「金を払わないと読めない」ものであるかどうか。
そもそもそのメディアも、無料で大量の記事を配信しているのだ。それとはっきり差別化ができるのか?
そして、有料で配信しようとしている記事と似たり寄ったりのコンテンツを、他のメディアが無料で配信していることも多いのだ。その当たりの「差別化」ができるのか?

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さらに言えば「サブスクでないと読めない」深い記事を作ったとして、それを金を払って購入する人がどれだけいるのか?
ある選手がサブスクで、これまで話したことのない深いことまで話したとして、いったいどれだけの人が、購入するだろうか?10人か?100人か?それとも1000人か?取材費、執筆量などその記事のコストをカバーできるだけの購入者を獲得できるのだろうか?

その上、サブスクの場合、定期的に金を支払わなければならない。それも負担だし、その必要を感じない人は多いだろう。

新聞のネットでの定期購入は、ネットコンテンツのサブスクの走りのようなものだ。多くの新聞社が採算がとれていない中で、讀賣新聞は購入者が増えて独り勝ちと言われたが、これも購読者が減りだしたという。

多くのメディアがサブスクに走るのは、ネットコンテンツの「広告モデル」つまり「アフィリエイト」が行き詰まっているからだ。各国で規制が入っているし、広告内容の劣化が顕著になっている。
ネット記事にまとわりつく不愉快かつ不適切な広告は、かなりの部分が違法だ。日本の違法広告のかなりの部分は、海外、主として中国の詐欺集団が配信している。それを規制できていない。
それはこのモデルがレッドオーシャンになって崩壊する寸前であることを意味している。

それに代わって「報酬系」つまり「広告を何秒見ればコンテンツを見ることができます」が出てきたが、これがうまくいくかどうかはわからない。

私はネットは無料記事が前提で、それが健全な言論だと思っている。でなければ単品での記事販売だろう。消費者にはそれが一番わかりやすい。

マーケットが小さいうえに、熱心なマニアの数が音楽などに比べれば数少なく、似たような無料記事が山ほど出ている野球記事のサブスクは、見込みがないのではないかと思っている。

そういうのに熱中するくらいなら、面白いコンテンツを1つでも多く作るのが大事ではないか。


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