現地4月20日、まるで日本の中学の体育の授業のようなユニフォームを着た田澤が、フェンウェイのマウンドに上がった。数日前まで気にもかけられないような存在だったが、この2日間で田澤はボストン・レッドソックス=BOSのあるかなきかの“希望”になりつつある。
田澤はニューヨーク・ヤンキース=NYYと縁がある。2009年8月7日、MLBに昇格して初めて投げたのもNYY。最初の打者は松井秀喜。A-RODにサヨナラ本塁打を打たれたのは強烈な記憶になっている。
トミー・ジョン手術明けの初登板もNYY。復帰はフェンウェイ100周年でのBOSvsNYY戦の記念の試合だったが、BOSは逆転での敗色濃厚。敗戦処理である。

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ラッセル・マーチンを遊ゴロに打ち取って最終回へ。
セットポジションからジーターに投げた速球は明らかな逆球だが、ジーターがひっかけてくれた。
続くグランダーソンには低めに速球が決まる。ショートライナー。
そして因縁のA-ROD。この日は本塁打を打っている。この大打者が田澤のことをどれだけ覚えていたかはわからないが、田澤には強烈な記憶だっただろう。しかし、臆せずに速球を投げ込む。球はやや甘いところに行ったが、センターフライ。

この日は無難に終えたというところだったが、一夜明けて事態は大きく変化する。
9対0で勝っていたBOSが、6、7、8回で15点を入れられて逆転されたのだ。監督ボビー・バレンタインの顔から表情が消えていた。

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繰り出した6人の投手がすべて失点するという大炎上の中、最後にマウンドに上がった田澤。ジーターは遊ゴロに打ち取るも遊撃アビレスが尻もちをつき、内野安打に。ランナーが生還する。15点目。しかし、この日6打点と馬鹿当たりのスィッシャーを何とか打ち取る。

そして9回、カノ、A-ROD、タシェアラを打ち取って敗戦処理を完了した。

田澤で良いと思うのは、とにかくストライクが入ること。横の変化はあまりないが、チェンジアップが有効。ただ、この2試合、MLB屈指の打者を打ち取れたのは、相手が「打ち疲れていた」からだとも思う。

繰り出した投手がすべて撃破される中で、消去法的に田澤の位置づけが変わりつつある。「持っている」とはこういう選手のことを言うのかもしれない。

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