81xwqrM1i2L._SL1500_


指名打者制の導入について、日本のファンの中には、いまだに「投手の打撃を見る余地がある方が良い」と主張する人がいる。
端的に言ってDH制の話は「ある、なし、どちらが良いか」という話ではない。
今から50年近く前に始まったDH制は「その方が良い」ということよりも「その方が人気が出るのではないか」という判断で、導入されたのだ。そして日本のパ・リーグもこれに追随した。

以来ほぼ半世紀が経過した。この間に、CPBLやKBO、さらには世界のアマチュア野球の大半がDH制を導入した。アメリカのアマチュア野球は、MLBの影響下にあるから、すぐにDH制を導入した。

そして日本でも多くの野球リーグでDH制が導入された。その最大の理由は「国際大会で不利にならないため」ということだったと思われる。

その結果として、2022年の段階ではDH制を導入していないのは、MLBのナショナル・リーグとNPBのセントラル・リーグ、東京六大学、関西連盟、高校野球だけになった。
そして2023年からナショナル・リーグもDH制を導入。MLBはこれを「ユニバーサルDH」といったが、これによってア・ナ両リーグにあった野球のスタイルの違いが解消された。

これを「ユニバーサル(普遍的、全世界共通の)」と表現するところにMLBの「意図」を感じる。これまで、DH制があるリーグとないリーグの間にあった「不都合」を解消したことを、極めてポジティブに受け止めているのだ。
DHと投手しかしない大谷翔平がドジャースに移籍したのは、まさにその「象徴」だった。

IMG_0410


IMG_1341





日本で「ユニバーサルDH]が進まないのは「伝統」「昔からの慣習」を重んじ、新しい取り組みを蔑視する保守的な野球人が多いからだ。そして「日本は日本、アメリカはアメリカ」と言いたい人も多いのだ。そもそも野球はアメリカから来たのだから、それを言うのは滑稽でしかないが。
「俺たちがあいつらのやり方を受け入れるのが、気に入らない」という「愚かな保守」が幅を利かせる日本という国の頭の悪さが、今の停滞を生んでいる。

「DHの是非」の議論は、もう終わっているのだ。「世界中の野球がそうなっているから合わせるべきだ」という単純な理屈を受け入れるかどうか、なのだ。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!

81iaVJGAvhL._SL1500_


https://amzn.to/47hJdhC

年度別チーム第1号本塁打は俺だ! 広島編

NOWAR