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岸田文雄はノンポピュリストの最後の宰相になるのではないか。
ポピュリストと言うのは、敵対関係をわざと作り上げ、相手を攻撃することでポイントを挙げる。また、実際の業績以上の派手な「手柄、功名」を喧伝して、支持者の支持を得る。

岸田文雄がそういうことができないのは、以前からわかっていたことだが、首相になってからも取り巻きにそういう人を重用しなかったのでそのままだった。

しかし岸田文雄は結果的に「安倍晋三の負の側面」をかなりはっきりとあぶり出して、安倍の施策を押し戻した。
1つは、当の安倍晋三の暗殺によって明るみに出た「統一教会」の問題。これがもし安倍晋三の正系の後継首相であれば「国家の英雄たる安倍首相の死に際して、不謹慎な報道をするべきでない」とメディアを抑え込み、結果的に統一教会問題を炎上させずに抑え込んだはずだ。
しかし岸田は得意技の「不作為」を繰り出して、統一教会と自党である自民党の関係を明るみに出した。それまで日本の保守政治に深く食い入っていた統一教会は、致命的な打撃を受けた。
そもそも岸田文雄は自民党の「リベラル」である宏池会の領袖であり、保守に食い入る統一教会との関係は、皆無ではないにせよ、薄かった。それもあって自民党内の対立派閥を弱体化するために、統一教会を利用した、という面もあっただろう。

「リベラル」の岸田は、ウクライナ戦争ではリベラルのバイデンを全面的に支持し、疑問の余地なくウクライナ支援、ロシア批判を徹底させた。プーチンを「ウラジーミル」と呼んだ安倍晋三ではそうはいかなかっただろうし、その後継者でもここまで徹底することはなかっただろう。

さらに、岸田文雄は「五輪汚職」に関しても「不作為」によって、その利権の構造を司法の手にゆだねて、裁いた。これも「安倍晋三の負の遺産」だったから、リベラルな岸田にとってはメリットがあったのだ。

裏金疑惑からの「派閥解消」も、いわば自民党の「他のグループ」に打撃を与えることができた。かなりの衝撃だった。

しかし岸田文雄自身が、自身の「功」について一切ひけらかさない人間で、しかも対立する自民党内の政治家を批判するなど対立軸を作ることもなかったので、岸田が一体何をしているのか、国民にほとんどアピールできなかった。だから支持率は全く上がらなかった。

自分自身で、自民党の極右な部分、おかしな部分を弱体化させ、改めようとしておきながら、自民弱体のダメージを岸田自身が受けて、退陣することになった。

最初から最後まで「不思議な総理大臣」だったと言えるのではないか。

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