30396185_s


今、民主主義社会の在り方がどんどん変化しようとしている。ドイツでは旧東ドイツのチューリンゲン州とザクセン州の議会選挙で、移民排斥を訴える右派政党「ドイツのための選択肢(AFD)」が大躍進している。
いわゆる極右政党は、非常に明確な考え方を打ち出す。ヨーロッパの民主主義国は、従来、人道主義的な観点から移民の受け入れに寛容だった。アフリカなどの開発途上国の政治的混乱の背景には、旧宗主国だったヨーロッパの国々のエゴイズムが存在した。そのことへのうしろめたさもあって、多くの移民を受け入れてきたのだ。また、少子高齢化が進む先進国では、移民が貴重な労働力になったのは間違いないところだ。

しかし大量の移民は、先進国の下層階級の人々の生活を脅かす。また、大量の移民は「郷に入っては郷に従え」ではなく、勝手にコミュニティを作って増殖するから、周辺住民にとっては脅威になる。それは間違いないところではあるのだ。

しかしだからといって、移民、難民の受け入れを食い止めようとすると、こうした人々はより移民に対するハードルが低い国へと移動する。さらには、国家を持たない流民となって、社会の治安を極端に悪化させる。

この問題は、先進国の「身から出た錆」の一面があるのだから、解決へ向けて先進国全体が取り組む必要があるのだが、極右政権は「自分たちの国にさえ来なければいい」という一国主義で移民を排斥するのだ。このあたりドナルド・トランプも全く同じだ。

先進国は、世界の経済発展を作り出した。しかしその繁栄の負の側面として貧富の差を生み、環境問題を生んだ。移民は、国家間の格差によって生まれているのだ。

一国だけが移民の門戸を閉じて済むような問題ではない。世界中が、国家間の矛盾である「移民問題」に取り組むべきなのだが、この手の極右は「反グローバリズム」を唱え、自国中心主義に固執する。

その行きつく先には、大戦争や、社会的混乱が間違いなく待っているのだが、極右政党は「目の前の成功」だけしか頭にない。

日本にも「国家主義」「反グローバリズム」を唱える政治勢力がいくつかできている。こうした政党、政治家は「国家の在り方」とか「日本らしさ」など、きれいごとや勇ましいことを並べ立てるが、今の混沌とした世の中に、難問を一気に解決するような「素晴らしい政策」など存在しないのだ。今後日本も難民、移民の問題と直面する日が必ず来る。

世界を一挙に幸せにする方法など存在しない、各国の英知が知恵を持ち寄って「少しだけましな明日」になるように努力する以外に方法論はないのだ。

23632829_s





私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!

81UUCLO+nDL._SY466_

https://amzn.to/47hJdhC

2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】

NOWAR