
プレミア12とWBCの最大の違いは「MLBが関与しているか、どうか」だ。
WBCはMLBとMLB選手会が実質的に主催している。MLBのビジネスになっているのだ。
しかしMLB機構とMLB各球団は、利害が一致しているわけではない。高額の大型契約をしている選手をペナントレース以外の試合で、ケガ、故障のリスクにさらすのは、出来れば避けたい。特に投手は出したくない。
かつては選手を出し渋っていたが「北米四大プロスポーツ」の中での劣勢という現実にかんがみ、MLBの「国際戦略」に理解を示すようになった。
また、選手のリーダー格のマイク・トラウトらがオリンピックやWBCなどに出場の意欲を見せたことで、MLB選手の出場のハードルが低くなった。
MLB球団の「軟化」によって、アメリカだけでなく、ドミニカ共和国、ベネズエラ、カナダ、日本などでも、トップクラスのメジャーリーガーが出場可能になった。
それ以前は、日本、台湾、韓国と自国にプロ野球のトップリーグを持っているチームが有利だった。メジャーリーガーが出なくても、それに次ぐ実力を有する国内リーグのトップ選手が出場するからだ。第1回、2回と日本が優勝したのは、そのためだ。
しかし第3回くらいから「かなり本気の大会」になった。だから第3回、4回と日本は勝てなくなった。
第5回の日本の優勝は、日本出身のメジャーリーガーがMLBの主力選手に成長したことと、NPBの特に投手の実力が上がったことが大きいのだろう。
こういう形で、WBCは「進化している」と言えるが、プレミア12はそうではない。
主催のWBSCは、もとはIBAFと言ったが、ソフトボール連盟と合併してできた新組織であり、MLBが資金援助している。しかしMLBは運営にはタッチしていない。
WBCの「間の年」に開催されるプレミア12は、WBSCの経済基盤を強化するための興行という側面がある。しかしMLBは関与していないから、以前のWBC同様、メジャーリーガー以外の選手による大会になっている。
国内にプロのトップリーグがある国は、その国のベストメンバーをそろえるが、それ以外の国は元メジャーリーガー、マイナーリーガー、そして国内リーグの選手をそろえてくる。
日本や韓国、台湾は若手の精鋭を揃えるが、ドミニカ共和国、ベネズエラなどMLBに選手を供給する国は、出場を忌避する選手が多いために、ベテラン選手が出てくることが多い。最初から「温度差」があるのだ。
今回、日本は全勝で決勝進出を決めた。中には危うい試合もあったが、ほぼ順当だった。このまま台湾戦に勝って優勝すれば「めでたし、めでたし」というところだが、こういう状況が長く続くと、他の参加国の出場意欲がさらに減退する。「どうせ日本が勝つのだろう」となるのが怖い。
プレミア12の前に「アジアシリーズ」という大会があった。各国のペナントレースを制したプロチームによるアジアチャンピオンを決める大会で毎年行われていたが、日本がずっと勝ちまくったことで、第4回大会で終わり、WBSC後援となって再開したが2回しか続かなかった。
サッカーに比べて、野球は「強い国」が限られている。これが国際化の大きな妨げとなっているのだが、今日の決勝は台湾にぜひ頑張ってもらいたい。
日本が圧勝するのではなく、台湾が善戦し、出来れば勝ってもらいたい。そうなれば台湾の野球人気が高まるし、プレミア12の興味もつながる。
アジア、世界の野球振興のためには、日本には「強いライバル」が必要なのだ。

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かつては選手を出し渋っていたが「北米四大プロスポーツ」の中での劣勢という現実にかんがみ、MLBの「国際戦略」に理解を示すようになった。
また、選手のリーダー格のマイク・トラウトらがオリンピックやWBCなどに出場の意欲を見せたことで、MLB選手の出場のハードルが低くなった。
MLB球団の「軟化」によって、アメリカだけでなく、ドミニカ共和国、ベネズエラ、カナダ、日本などでも、トップクラスのメジャーリーガーが出場可能になった。
それ以前は、日本、台湾、韓国と自国にプロ野球のトップリーグを持っているチームが有利だった。メジャーリーガーが出なくても、それに次ぐ実力を有する国内リーグのトップ選手が出場するからだ。第1回、2回と日本が優勝したのは、そのためだ。
しかし第3回くらいから「かなり本気の大会」になった。だから第3回、4回と日本は勝てなくなった。
第5回の日本の優勝は、日本出身のメジャーリーガーがMLBの主力選手に成長したことと、NPBの特に投手の実力が上がったことが大きいのだろう。
こういう形で、WBCは「進化している」と言えるが、プレミア12はそうではない。
主催のWBSCは、もとはIBAFと言ったが、ソフトボール連盟と合併してできた新組織であり、MLBが資金援助している。しかしMLBは運営にはタッチしていない。
WBCの「間の年」に開催されるプレミア12は、WBSCの経済基盤を強化するための興行という側面がある。しかしMLBは関与していないから、以前のWBC同様、メジャーリーガー以外の選手による大会になっている。
国内にプロのトップリーグがある国は、その国のベストメンバーをそろえるが、それ以外の国は元メジャーリーガー、マイナーリーガー、そして国内リーグの選手をそろえてくる。
日本や韓国、台湾は若手の精鋭を揃えるが、ドミニカ共和国、ベネズエラなどMLBに選手を供給する国は、出場を忌避する選手が多いために、ベテラン選手が出てくることが多い。最初から「温度差」があるのだ。
今回、日本は全勝で決勝進出を決めた。中には危うい試合もあったが、ほぼ順当だった。このまま台湾戦に勝って優勝すれば「めでたし、めでたし」というところだが、こういう状況が長く続くと、他の参加国の出場意欲がさらに減退する。「どうせ日本が勝つのだろう」となるのが怖い。
プレミア12の前に「アジアシリーズ」という大会があった。各国のペナントレースを制したプロチームによるアジアチャンピオンを決める大会で毎年行われていたが、日本がずっと勝ちまくったことで、第4回大会で終わり、WBSC後援となって再開したが2回しか続かなかった。
サッカーに比べて、野球は「強い国」が限られている。これが国際化の大きな妨げとなっているのだが、今日の決勝は台湾にぜひ頑張ってもらいたい。
日本が圧勝するのではなく、台湾が善戦し、出来れば勝ってもらいたい。そうなれば台湾の野球人気が高まるし、プレミア12の興味もつながる。
アジア、世界の野球振興のためには、日本には「強いライバル」が必要なのだ。

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コメント
コメント一覧
>アジア、世界の野球振興のためには、日本には「強いライバル」が必要なのだ
そうなんですよね。WBCも本当に盛り上がってきたのはドミニカが優勝した第3回以降ですから。
日本が優勝すれば日本の大手メディアは優勝だ、世界一だと大喜びでしょうが、結局、島国の日本は地理的な距離や移動手段も他国から遠いし、言語文化の壁があるので世界的な情報発信も弱い。盛り上がりや波及効果は国外にほとんど広がらない。ましてプレミア12は日本主催/開催ですから猶更です。
皮肉な事に野球は日本が優勝を逃した方が大会が盛り上がり、存続するにはプラスなんですよね。
NPBの関係者に表向きは優勝を目指すと言っておいて、実際は他国に優勝を譲る様な寝技が出来れば良いのですが、NPBも国内の野球離れを食い止めたいからそんな事はやれないでしょう。あちらを立てればこちらが立たない事もため息がつく現状ですね。
台湾にとっては92年のバルセロナ五輪以来、32年ぶりとなる国際大会決勝進出です。
(同五輪では台湾は予選ラウンドと準決勝の2度、社会人選抜の日本代表と対戦し
2度とも台湾が日本に勝利、
決勝ではキューバに完敗しましたが、銀メダルを獲得しています。)
おそらく多くの台湾のファンが東京に来たくても来れなかった、
また、チケットを取ろうとしても取れなかったことと思います。
そういう人たちの分まで、今夜は私も台湾を応援します。
>NPBの関係者に表向きは優勝を目指すと言っておいて、実際は他国に優勝を譲る様な寝技が出来れば良いのですが
そんな八百長まがいのやり方は論外です。
ゲームはつまらなくなるし、相手チームに対しても無礼だし。そもそもそういう発想は、強者の傲慢でしかない。
上記コメントの前段までは完全に同意しますが、『優勝を譲る様な寝技』なんて浅ましい事をしてしまったら、余計に競技離れが加速してしまい、逆効果でしょう。
論外です。
それほど、今夜の決勝に全力で臨んでくる覚悟でしょう。
それに対して、勝ちを譲るなんて恥ずべき事があってはならず、日本も本気で立ち向かうべきでしょう。
そのうえで、野球の競技人口拡大を願う立場なら、広尾さんの言われる様に、台湾の善戦を期待し、出来ることなら台湾の勝利を願いましょう。
我々に出来ることはそれしかなく、またそういう試合こそ面白いし、大会が盛り上がり、各国のモチベーションも維持出来るのではないでしょうか。
テレビでは優勝監督インタビュー、ヒーローインタビューではなく、ジャパンの監督のインタビュー、そして田中選手の自由契約が速報として報じられていました。
大会の価値を下げるような編成に、本当に「興行重視」なんだな、っという感想を持ちました。