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大谷翔平は、たった一人で、しかもアメリカにいながら、日本のトレンドを変えようとしている。
競技人口の減少が止まらない日本の野球界だが、大谷はたった一人で「ブーム」を巻き起こし、注目を集めている。
今や、NPBの試合中継よりもMLBの試合の方が、注目度が高い。今年の日本シリーズ期間中にフジテレビは大谷翔平が出たワールドシリーズ中継のダイジェスト版をぶつけて、ケツのアナの小さいNPBを怒らせたが、よその国のプロスポーツが自国の同じ競技を凌駕しつつあるなど、前代未聞だ。しかもそれは、大谷翔平ただ一人の「影響力」によるのだ。

大谷翔平は、日本人選手にも強烈な影響を与えている。2023年WBCで、大谷のものすごい活躍に接した選手の多くが、MLB挑戦を夢見るようになった。年長の選手はそうではなかったようだが、年下の選手はほとんどが「大谷のようになりたい」と思ったことだろう。
とりわけ大谷は「二刀流」だったために、投手も打者も大谷に「魅了されて」しまったわけだ。

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しかしながら、海を渡った日本人選手で「大谷級」の活躍をしたのは、大谷翔平しかいない。
今年で3回目のMVP、文句なしにMLBの頂点に立っているが、日本からきてこんなすごい実績を上げたのは大谷だけだ。それ以前には、イチローがいるだけだ。彼は移籍した2001年に新人王とMVPを獲得している。

イチローと大谷に共通するのは「ただものではなかった」ということだ。イチローのNPB時代の通算打率は「.353」。NPBが決める規定打数には足りないが、こんな数字を残した選手は過去にいない。そして大谷翔平は、NPBでもたった一人10勝、20本塁打を同時に達成している。

イチローや大谷翔平のような選手は、過去にも現在にも「二人といなかった」のだ。
それを考えれば、今のNPB選手が「大谷翔平のように活躍したい」と思うのは、現実的ではないのだ。

大谷翔平のようにドライブラインに行けば、大谷翔平のようにトラジェクトアークで投手の球筋を見れば、大谷翔平のようにラプソードで計測すれば、大谷翔平のようにブラストを装着してバットを振れば、大谷翔平になれるか?

なれないのだ。大谷翔平は、NPB時代とは投打ともに、全く違う次元の選手に進化したわけだ。スーパーサイヤ人になったと言っても良い。そういう進化をした選手は、日本には一人もいなかった。

これからMLBに挑戦する日本人選手のうち、菅野智之は「悔いを残したくないから」。つまり桑田真澄や小宮山悟みたいな動機だ。青柳晃洋と九里亜蓮は「社会見学」。田中賢介みたいに「体験入団してダメならすぐに帰る」タイプだ。
しかし佐々木朗希、来年行くとされる村上宗隆、恐らく行く岡本和真などは「大谷翔平を見ている」と思われる。投打で彼のレベルに近付きたい。

しかし、それは「高望み」だろう。大谷翔平と同じことをしても、大谷翔平にはなれない。大谷翔平は、誰の「ロールモデル」にもならないのだ。

私はNPBでそこそこ活躍した、クラスの選手はMLBに行かない方がいいと思う。例えばバランスは悪いが、何かとびぬけてすごい資質を持つ選手が、ダメ元で挑戦すべきだと思う。

そうでなければ、あたらNPB「名選手」「大選手」になる可能性のあった素材が、通用しなくてしおしおと頭を垂れて帰ってきて、残念な「選手余生」を送るケースが増えるだけだと思う。




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