ともに2010年のドラフトで福岡ソフトバンクホークスに入団した2人の捕手である。
この年のソフトバンク、ドラフト入団選手




ものすごく極端な年で、支配下ドラフトで一軍の試合に出たのは山下、柳田、星野、育成では千賀、牧原、甲斐だけ。あとは「一軍成績無し」だった。

山下は、名門習志野高から斎藤佑樹の外れ1位でソフトバンクへ、そして楊志館高の甲斐はドラフト全体の最後から3人目で指名。

この年、ソフトバンクの育成指名選手が空前の実績を上げたことで、今まで育成ドラフトが続いているといっても良いような豊作ではあった。ただ、スカウトが優秀だったとは言えないだろうが。

とりわけ山下と甲斐、同じ高卒のの明暗が逆転したのは、強烈だった。
2人のキャリアSTATS




甲斐は2年間は二軍戦の出場も限定的で、三軍が主戦場だった。山下は二軍の正捕手になり、オフにはオーストラリアリーグのブリスベーンに野球留学している。

二軍戦での山下




2人は2016年に肩を並べるが、2017年、甲斐が正捕手になると山下はそのオフに西田哲朗とのトレードで楽天に。

甲斐はこの年、ベストナイン、ゴールデングラブ。
その後、パ・リーグ、NPBを代表する捕手になったが、山下は楽天でも嶋基宏らの陰に隠れて二軍暮らし。
2020年に戦力外となり、中日に育成で拾われる。背番号は209




しかし再浮上することなく引退。

甲斐の1軍出場が1000試合を超えるのに対して、山下はファームでの出場が800試合を超えた。甲斐はFA権を行使し、高年俸を得ようとしている。山下は引退して2年、コカイン使用で起訴された。ここまで明暗がはっきりしたのは珍しいだろう。

山下は高校時代から素行が良くなかったといわれるが、後付けの理屈ではあろう。ただ高卒の選手に「社会常識」を身に着けさせる教育は確かに必要だ。

おそらく現役時代は何かと甲斐と比較されて、いらだつことも多かっただろうが、悪い取り巻きもいてこうなったのではないか。




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