
日本のスポーツではしばしば「連帯責任」という言葉が用いられてきた。
典型的なのは、試合で一人の選手が失策をしたときに、出場した選手全員、またはベンチ入りメンバー全員が「罰走」などの「追加練習」が行われるようなときに「連帯責任」という言葉が出てくる。
ミスをした本人は、自分ひとりのために、仲間が練習に付き合わされる。そのいたたまれなさに、今度は失敗しないでおこうと、固く誓うようになる。
一見いいことのように思えるが、こういう指導を受けた選手は「いいところを見せる」ことよりも「失敗しないこと」を主眼に置いてプレーするようになる。無理目の打球を追いかけたり、好球必打で打っていくのではなく、指導者の顔色を窺ってプレーするようになる。
「連帯責任」は、軍隊用語だ。戦時には、一兵卒の軽率な行動が、 部隊を全滅させることがある。全体の命にかかわるようなことだから、ミスに対して「連帯責任」をとらせることにもある程度の合理性はある。近代戦では、兵士は基本的に「コマ」であって、一人の猪武者の英雄的な活躍が、戦闘の帰趨を決めることなどないから、上官の命令を拳拳服膺するような「忠実な兵士」が重要なのだ。
「連帯責任」は、戦後、軍隊上がりの指導者が学校に入るようになってどんどん広がっていったのだ。
しかしスポーツの目的は、勝利だけではない。特に学校スポーツは「目先の勝利」よりも「選手個々の成長」を重視するものだから「連帯責任」に委縮するような選手を作るのは、正しい指導とは言えないだろう。
ただ、選手が何らかの不祥事を起こして、リーグ、連盟などにペナルティを科せられるときなどはどうなのだろう?
過去には、一人の選手の喫煙で、そのチームが大会に出場できないなどの「連帯責任」的な処分があった。これを「連帯責任は良くない」という人が最近増えてきたように思うが、プレーの上での「ミス」と、未成年の喫煙、飲酒、暴力行為などを同列に見るのは良いことなのか?
喫煙、飲酒、暴力などは、当事者が「不注意」で起こす行為ではない。「悪いとわかっていながら」、「これくらいいいだろう」「バレないだろう」「バレても許されるだろう」とやらかしてしまう行為だ。規範意識やモラルに欠けた行為だと言える。
一人の選手が喫煙や飲酒など問題行為をしたことで、チーム全体が試合に出場できないのは理不尽なようではあるが、だからと言ってトカゲのしっぽ切りで、当事者だけを罰して事足れりとしては、ペナルティの意味がなくなるのではないか。

喫煙や飲酒、暴力が発覚するのは、外部からの通報が多いが、実際にはチームメイトがこうした行為を見聞きしているケースが多い。しかし、多くの場合、そういう仲間はそれを指導者や学校に届け出ることはしない。仲間内のこととして隠ぺいしようとする。
体育会系のグループの場合、一つの問題行為の周辺に「それを許容する空気」が存在している場合が多いのだ。
私はこうした問題行為については、指導者や選手にしっかり聞き取りを行って、その行為が「周囲が容認する中で行われた」のか、「周囲に秘密裡に行われた」のか、あるいは「周囲が注意をしたが、それを聞き入れずに行われた」のかを、峻別すべきだと思う。
そして周囲が容認する空気の中で行われたのなら、チーム全体がペナルティを受けるのも「やむなし」だと思う。
この場合は「連帯責任」ではなく「全体責任」だろう。
同じ「喫煙行為」であっても、一律に罰するのではなく、ある場合は当事者だけのペナルティ、ある場合はチーム全体のペナルティというケースがあっても良いのだと思う。
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「連帯責任」は、軍隊用語だ。戦時には、一兵卒の軽率な行動が、 部隊を全滅させることがある。全体の命にかかわるようなことだから、ミスに対して「連帯責任」をとらせることにもある程度の合理性はある。近代戦では、兵士は基本的に「コマ」であって、一人の猪武者の英雄的な活躍が、戦闘の帰趨を決めることなどないから、上官の命令を拳拳服膺するような「忠実な兵士」が重要なのだ。
「連帯責任」は、戦後、軍隊上がりの指導者が学校に入るようになってどんどん広がっていったのだ。
しかしスポーツの目的は、勝利だけではない。特に学校スポーツは「目先の勝利」よりも「選手個々の成長」を重視するものだから「連帯責任」に委縮するような選手を作るのは、正しい指導とは言えないだろう。
ただ、選手が何らかの不祥事を起こして、リーグ、連盟などにペナルティを科せられるときなどはどうなのだろう?
過去には、一人の選手の喫煙で、そのチームが大会に出場できないなどの「連帯責任」的な処分があった。これを「連帯責任は良くない」という人が最近増えてきたように思うが、プレーの上での「ミス」と、未成年の喫煙、飲酒、暴力行為などを同列に見るのは良いことなのか?
喫煙、飲酒、暴力などは、当事者が「不注意」で起こす行為ではない。「悪いとわかっていながら」、「これくらいいいだろう」「バレないだろう」「バレても許されるだろう」とやらかしてしまう行為だ。規範意識やモラルに欠けた行為だと言える。
一人の選手が喫煙や飲酒など問題行為をしたことで、チーム全体が試合に出場できないのは理不尽なようではあるが、だからと言ってトカゲのしっぽ切りで、当事者だけを罰して事足れりとしては、ペナルティの意味がなくなるのではないか。

喫煙や飲酒、暴力が発覚するのは、外部からの通報が多いが、実際にはチームメイトがこうした行為を見聞きしているケースが多い。しかし、多くの場合、そういう仲間はそれを指導者や学校に届け出ることはしない。仲間内のこととして隠ぺいしようとする。
体育会系のグループの場合、一つの問題行為の周辺に「それを許容する空気」が存在している場合が多いのだ。
私はこうした問題行為については、指導者や選手にしっかり聞き取りを行って、その行為が「周囲が容認する中で行われた」のか、「周囲に秘密裡に行われた」のか、あるいは「周囲が注意をしたが、それを聞き入れずに行われた」のかを、峻別すべきだと思う。
そして周囲が容認する空気の中で行われたのなら、チーム全体がペナルティを受けるのも「やむなし」だと思う。
この場合は「連帯責任」ではなく「全体責任」だろう。
同じ「喫煙行為」であっても、一律に罰するのではなく、ある場合は当事者だけのペナルティ、ある場合はチーム全体のペナルティというケースがあっても良いのだと思う。
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