
通信制高校が高校野球に参加することは、良し悪しは別としてこれまで厳しく規制されていた様々な「高校野球のルール、掟」をなし崩し的に破る可能性を示唆している。
高校野球は永らく「教育の一環」という看板を掲げていた。
しかしながら「甲子園」が国民的な注目を集めるとともに「何が何でも甲子園」とばかりに、多くの選手を獲得し、彼らを寮生活させて「野球漬け」にする学校が続出した。
その典型が「PL学園」だが、彼らは「高校生」という以前に「野球選手」であって、形式的に授業に出るが、すべて「野球優先」の生活を送った。また多くの選手を入部させるが、大部分は試合に出場することなく脱落していった。
実は明治以来、学生野球は国民的ブームになった時期が何度かあったが、その都度「野球学校」が出現し、世間の非難を受けてきた経緯があった。
PL学園など甲子園での活躍と裏腹に不祥事が続く学校が続出し、高校野球に対する改革の機運が高まった。
今では、いわゆる「名門校」であっても、授業と野球の「両立」を掲げる学校が多くなっている。未だに「体育の授業の一環」として対外試合=遠征をおこなう学校はあるが、以前ほど露骨ではなくなった。
また100人以上の部員を要する野球部はまだあるが、以前と異なり「3年間ベンチウォーマー」「応援だけ」みたいな扱いは少なくなった。二軍戦など試合の機会を与えるとともに、学生コーチ、アナライザー、データ担当など、新たな役割を与えてモチベーションを高める指導者も多い。
さらに言えば、親が学校を選ぶ際に「勝利」だけでなく、たとえ野球部であっても「どんな教育をしてくれるのか?」を考慮するようになったことが大きい。
しかし、通信制高校の場合「校舎がない」ことが前提になる。また授業もリモートがメインで「対面での授業」がほとんど存在しない。それでいながら、通信制で甲子園に出る学校は「野球部寮」を完備している。カリキュラムが「柔軟」だから、授業時間も融通が利く。以前のように「野球漬け」になっているのではないか、という疑惑があるのだ。
さらに言えば、現在の通信制高校の中には、アットマーク国際高、ルネサンス高、ウイッツ青山学園高のように株式会社が設立した学校もある。またヒューマン・アカデミー、トライ、代々木アニメーション学院など、既存の各種学校などを母体にした学校もある。こういう学校は当然ながら基本的に「利益」を優先する。

とりわけエナジックスポーツ高は2021年に開学した時点では「サポート校」であり、高校でさえなかった。しかし翌年には、サポート校としては史上初めて県高野連に加盟が認められる。その後、通信制高校となり、昨年、一条校(普通の高校)になるというあわただしい動きの中で、甲子園出場を決めた。
エナジックは、学校法人の設立母体である株式会社エナジックの「還元水」の「商品名」だ。この会社は2010年に「特定商取引法違反=マルチ商法」で業務停止命令を受けている。さらに「申告漏れ」などで追徴課税をするなどたびたび世間を騒がせている。
今もマルチ商法を続けているが、国内の規制が厳しいため、社員は一定の研修を受けると海外でマルチ商法をするために、海外拠点に派遣されていると言う。
エナジックは、単なる通信制高校よりもはるかに「怪しい学校」と言わざるを得ない。
沖縄県高野連は、まだ「通信制高校」でさえない段階で、加盟を許した。その結果として秋季大会で勝ち抜いて、春の甲子園に出場する。
何かとお騒がせの親会社にしてみれば、グループのイメージを「ロンダリング」する絶好の機会になったわけだ。
あまりにも「わきが甘い」と言わざるを得ない。野球がどうの、指導者がどうの、という以前の問題だ。
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その典型が「PL学園」だが、彼らは「高校生」という以前に「野球選手」であって、形式的に授業に出るが、すべて「野球優先」の生活を送った。また多くの選手を入部させるが、大部分は試合に出場することなく脱落していった。
実は明治以来、学生野球は国民的ブームになった時期が何度かあったが、その都度「野球学校」が出現し、世間の非難を受けてきた経緯があった。
PL学園など甲子園での活躍と裏腹に不祥事が続く学校が続出し、高校野球に対する改革の機運が高まった。
今では、いわゆる「名門校」であっても、授業と野球の「両立」を掲げる学校が多くなっている。未だに「体育の授業の一環」として対外試合=遠征をおこなう学校はあるが、以前ほど露骨ではなくなった。
また100人以上の部員を要する野球部はまだあるが、以前と異なり「3年間ベンチウォーマー」「応援だけ」みたいな扱いは少なくなった。二軍戦など試合の機会を与えるとともに、学生コーチ、アナライザー、データ担当など、新たな役割を与えてモチベーションを高める指導者も多い。
さらに言えば、親が学校を選ぶ際に「勝利」だけでなく、たとえ野球部であっても「どんな教育をしてくれるのか?」を考慮するようになったことが大きい。
しかし、通信制高校の場合「校舎がない」ことが前提になる。また授業もリモートがメインで「対面での授業」がほとんど存在しない。それでいながら、通信制で甲子園に出る学校は「野球部寮」を完備している。カリキュラムが「柔軟」だから、授業時間も融通が利く。以前のように「野球漬け」になっているのではないか、という疑惑があるのだ。
さらに言えば、現在の通信制高校の中には、アットマーク国際高、ルネサンス高、ウイッツ青山学園高のように株式会社が設立した学校もある。またヒューマン・アカデミー、トライ、代々木アニメーション学院など、既存の各種学校などを母体にした学校もある。こういう学校は当然ながら基本的に「利益」を優先する。

とりわけエナジックスポーツ高は2021年に開学した時点では「サポート校」であり、高校でさえなかった。しかし翌年には、サポート校としては史上初めて県高野連に加盟が認められる。その後、通信制高校となり、昨年、一条校(普通の高校)になるというあわただしい動きの中で、甲子園出場を決めた。
エナジックは、学校法人の設立母体である株式会社エナジックの「還元水」の「商品名」だ。この会社は2010年に「特定商取引法違反=マルチ商法」で業務停止命令を受けている。さらに「申告漏れ」などで追徴課税をするなどたびたび世間を騒がせている。
今もマルチ商法を続けているが、国内の規制が厳しいため、社員は一定の研修を受けると海外でマルチ商法をするために、海外拠点に派遣されていると言う。
エナジックは、単なる通信制高校よりもはるかに「怪しい学校」と言わざるを得ない。
沖縄県高野連は、まだ「通信制高校」でさえない段階で、加盟を許した。その結果として秋季大会で勝ち抜いて、春の甲子園に出場する。
何かとお騒がせの親会社にしてみれば、グループのイメージを「ロンダリング」する絶好の機会になったわけだ。
あまりにも「わきが甘い」と言わざるを得ない。野球がどうの、指導者がどうの、という以前の問題だ。
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