無敵状態の親父に聞くのはNGでしょう : 野球の記録で話したい

Newsポストセブン
《独占スクープ》水原一平被告の父が告白！“大谷翔平への本音”と“息子の素顔”「1人でなんかできるわけないじゃん」

事件の後追い報道、落穂ひろい報道は、ジャーナリズムのセオリーにあるし、まっとうだとは思う。
このライターは現地での追跡取材を得意としていて、いろいろなスクープをモノにしてきたが。

水原一平の父親でカリフォルニア州の飲食店で働く英政に、かなり強引にアプローチしてコメントをとっている。

今、日本人にとって最大のスターは間違いなく大谷翔平であって、昨春、ドジャースに移籍したばかりの大谷に「野球賭博関与」の大スキャンダルを出来させたのが、水原一平だった。

その語のアメリカ当局の捜査によって水原は、大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル（約6億8000万円）を引き出して違法賭博に投じていた。
またそれ以外にも大谷の資産から金を引き出すなどして大損害を与えた。
ドジャースは水原を解雇、連邦検察は銀行詐欺容疑で水原を刑事訴追した。

日本最大のスターの側近でありながら、彼を裏切り、大損害を与えたということで、水原は天下の大悪党のようになってしまった。

アメリカでは「本当は大谷翔平も賭博に関与していた」といううわさが絶えないが、今のところその証拠は出てきていない。

水原の父親は、息子の事件の後、飲食店を解雇されたが、今は細々と仕事を続けているとのこと。

父親にしてみれば、息子と自身の「汚名を雪ぐ」ために、何か言いたいという気持ちもあっただろう。おそらく息子がやらかした事件について、親父はほとんど知らないと思うが、倅と自身を弁護する意図で話をしている。

「もっと翔平を調べたらいいんじゃない？　翔平の性格を。彼のことわかんないでしょ？　俺はもちろん知ってる。ただ、俺の口からは言えない。俺のことじゃないから」

この言葉だけを切り取ると、水原の父親は、大谷が賭博に関与したことを「知っている」と言っているように見えてしまうが、彼は「大谷の性格について“もちろん知っている”」と言っているに過ぎない。

このあたり、非常にきわどい記事になっている。失脚して無敵状態になった親父にしてみれば、嘘でも何でも言って、少しは自分と息子の心証をよくしたいと思う。

大谷が賭博に関与していたのなら、それは徹底的に調べるべきだろうが「痛くない腹を探る」ような報道は、罪作りなことだと思う。