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14年前のこの日の大震災、私は東京都葛飾区で揺れを経験した。
そこから上野まで戻ったのだが、途中の川に、下流から逆流した水が昇ってきていて、異常事態を感じたものだ。
私は上野駅近くの安宿に飛び込んで部屋をとったが、すぐにホテルは満室になり、帰宅困難者が街にあふれた。コンビニは食料がほとんどなくなったが、酒はあったので焼酎か何かと、小さなスナック類を買った。
余震は続いていたし、客室で見たテレビは津波の恐ろしい風景を流していたので、気持ち悪くなった。
この年は何度も東京に行った。「計画停電」で駅も真っ暗だった。まさに非常事態だったのだ。

まだできて6年目の東北楽天ゴールデンイーグルスは本拠地Kスタ宮城が損傷し、存続の危機に瀕した。
また千葉ロッテの本拠地、マリンスタジアムも液状化により損傷した。
パ・リーグは3月25日の開幕を4月12日に延期することを決定した。

しかしセ・リーグは予定通り3月25日での開幕を決定した。日本プロ野球選手会は、これに異論を唱え、海江田万里経産相や、文科省なども、開幕延期を求めた。

巨人軍は3月16日に経済界の後援会「燦燦会」のシーズン前激励会を予定通り実施、会が終わると、参加者が続々と選手にサインをもらったが、アナウンサーが「時節柄サインはご遠慮ください」といった。
これを聞いた渡辺恒雄は、壇上に上がり「誰がそんなことを言ったんだ。何で選手と写真を撮って、サインをもらって悪いんだ。あとで懲罰する」と激怒したと言う。

巨人は何が何でも3月25日に開幕を強行する気だった。その先頭に立ったのが、清武英利代表で、加藤良三コミッショナーにプレッシャーをかけた。この時期、清武社長はナベツネの言いつけを守っていたのだ。修正

加藤コミッショナーはパ・リーグ側に「3月25日に開幕するよう」に説得に行く。要するにコミッショナーもナベツネの狗だったのだ。

労働組合日本プロ野球選手会の新井貴浩会長は、ストライキも辞さない構えを示す。世論も、セ・リーグ、巨人の横車に批判的で、最後はセ・リーグも折れて、4月12日にセ・パが同時開催することとなった。

セントラル・リーグという組織はすでに2009年に解散している。リーグはコミッショナー直属となり、リーグ単独での決断はできなかったはずだが、ナベツネは「私党」を組んで、権力を振るおうとしたのだ。

4月2日の復興支援試合で、楽天の嶋基宏選手会長は
「見せましょう、野球の底力を」
と球史に残るスピーチを行った。

正力亨やナベツネなどが「横車を押す」たびに、巨人のステイタス、信用は失墜してきた。
「俺たちがプロ野球を作ったんだ。ほかのやつらにプロ野球をさせてやってるのは俺たちだ」
という傲岸不遜を、世間は支持しなかったのだ。

ここまで書いてきて、ナベツネとドナルド・トランプの顔がオーバーラップしてくる。
有能で、心優しいリーダーの顔は、様々だが、独裁者の顔はみな一様で、同じ醜悪さを感じさせるからだろうか?

Shima-01





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