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今年もプロ野球が開幕するが、全球団ともに「選手の推し活」マーケティングに余念がない。
オリックスなど、特に熱心で、昨年など選手をアイドル風にメイクさせて、ずいぶんごてごてしたキャンペーンをしていた。
推し活は、要するに少数のアイドルに、多くのファンが群がる今までのマーケティングの図式とは異なり、個々のアイドルと、ファンが個対少数とか個対個で、つながりができるような図式だ。
いわばアイドルマーケットのセグメンテーションだ。

このあたり、私はよく知らないが、秋元康が作ったAKB48など、アイドルを量産する戦略に端を発しているのではないか。確かAKBとかは「会いに行けるアイドル」みたいなキャッチフレーズだったように思う。

アイドルマーケットのセグメンテーションは、確かに天才的な発想だ。従来は莫大なプロモーションの予算をかけてアイドルを喧伝し、多くのファンを集めていた。見返りは大きい代わりにコストも莫大だった。

しかし「会いに行けるアイドル」は、それほど大きな宣伝はいらない。ちょろっと露出して、それなりの顧客が獲得できれば成立する。
誠に都合がよいことにネット社会の進展で、SNSや動画サイトを誠に安価に、手軽に開設できるから、瞬く間にアイドル市場は変貌した。
メジャーアイドルの下位には「地下アイドル」なるものもできて、セグテーションはどんどん進展した。

それはいいとか悪いとかいうものではないだろうが、アイドルのセグメンテーションとともにアイドルとファンとの距離感はさらに縮まって「会いに行ける」から「話ができる」「付き合える」までになっている。
この間の動画配信中に刺殺された22歳の女性の場合は生活破綻者で、矛盾に満ちた生活の挙句に殺されたようだ。もちろん殺した男に非があるが、セグメンテーションの「成れの果て」みたいな感じもする。

日曜日、オープン戦を見た後、難波駅を歩いていたら、階段下の広場で、聞いたことのないアイドルグループが、パフォーマンスをしていた。みんな素朴な顔つきで、お遊戯みたいな稚拙なダンスをしていたが、それでも100人くらいのファンを集めていた。

その最前列には、30~40代と思しき風采の上がらない男が十人以上もいて、大きなカメラで彼女たちを連写していた。すごいシャッター音が鳴り響いていた。

この手の男たちは、競争率の高そうな「アイドル」をどんどんよけていくうちに、こうした「地下アイドル」に行きつき、最後の獲物を狙うように写真を撮っているのだ。

もし自分の娘がこういうアイドルだったら、と思ったら怖気がした。彼らに比べれば、球場で選手に声援を送るファンは、はるかに穏健だ。怖い時代になったと思う。

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