難関大学出って : 野球の記録で話したい

最近のメディアが本当にダメだなあと思うのは、容姿やくだらない肩書をちりばめないと、人を紹介できなくなっていることだ。

美人アナウンサー、美人女優、美人元タレント妻みたいなのは、ルッキズムもいいところだし、大して有名でない人間を紹介するときに、厚塗り化粧をしているみたいで、嫌らしいとしか思えないが、それとともに「学歴」をわざわざつけて紹介するのも気になっている。

難関大学卒タレント、難関国立大出身芸人、高偏差値大卒タレントなどなど。そういう書き方をすれば、普通に芸能人を紹介するより注目度が上がるのだ。書いている記者やライターはだいたい「難関大卒」だろうが、自分たちの自尊心も多少満たされるのかもしれない。今の日本がいかに学歴コンプレックスに汚染されているかを感じる。

私は立命館大卒だが、同志社大出のカズレーザーは「難関大出」と言われるが、立命館大出のサバンナ髙橋茂雄はそういわれない。そのあたりに「線引き」があるのかと思う。
どうでもいいけど新聞社などメディアに入社する大学のラインもここら辺にあるようだ。
新聞社はずーっと前から「受験戦争」を非難しているが、その一方で系列の週刊誌では「東大合格者高校ランキング」をずっと掲載してきた。メディアの本音は「学歴大事」なのだ。

面白いのは、プロ野球ではどこの大学出身でもそういう表現はしないことだ。

例えばソフトバンクの正木（慶応大）と柳田（広島経済大）、中村晃（帝京高）が３連続で安打を打ったとして「難関大出の打者に続き、一般大出の打者、さらに高卒打者も連続安打」みたいな表現はしない。やってくれれば面白いけど。

プロ野球に学歴は関係ないということかもしれないが、それ以上に世間が「プロ野球選手は勉強せずに大学に入っている」という先入観があるからだろう。

慶應義塾大は結構勉強を重視するので、甲子園常連校の選手も入学できなくなっている。それもあって最近は受験がない慶應義塾高上がりの選手が活躍する傾向にあるが、少なくとも最近の東京六大学は、野球だけしていては入れないし、勉強しなければ卒業もできなくなっている。

そういやドジャースのトミー・エドマンはスタンフォード大出だが、大谷と連続ホームランを打てば
「高卒スーパースターに続き、超難関名門大出の打者も連続本塁打」とか言えばいいのに。

卒業して何年も経つのに「どこどこ大出」をひけらかすのは、実社会にでて大して活躍せず、それしか自慢することがないからだと思う。

どんな分野にせよ「難関大出の誰々」という言い方は、一般庶民の琴線に触れるのだろうが、貧しい風景だと思う。