
AERA
部活顧問「人生を奪われ、楽しいことはひとつもない」 妻は「部活未亡人」化、離婚秒読みの教員も
多くの高校部活の取材をしていた時期があるが、強い部活の顧問は、スポーツ部でも文化部でも、部活中心の人生を送っていた。
「正月と盆の2日以外はずっと練習練習です」
「土日も朝から練習をさせています」
「夏休みは学校に泊まり込んで合宿です」
みたいなことを言う指導者をたくさん見てきた。私は「げーっ」と思ったが、高校の強豪部活というのは、そういうのが当たり前だった。
その犠牲になるのは「家族」だった。
「家族旅行は一度もしたことがありません」
「子供の運動会や保護者参観に行ったことがない」
「新婚旅行の途中で抜け出して、試合を見に行きました」
そういうのを「武勇伝」のように言う指導者もいた。彼らにとっては「部活」とはそういうものだったのだ。
そして最後に必ず「家族の理解があって部活顧問ができている」というのだった。
私は「家族は本当に大変だろうな」と思った。

この手の部活顧問は、自分自身も「部活に人生を賭けている」ような指導者の指導を受けていたことが多い。
よく聞いたのは
「私は●●先生に3年間、毎日指導を受けてきました。私も、先生のようになりたくて、大学で教職をとって教師になり、部活の顧問になりました」
みたいな話だ。
日本には「部活顧問」という「変わった部族」がいるのだ。残業代もろくに支払われないのに、生活の大部分を部活に捧げ、生徒たちと濃密な時間を過ごすことこそが、自分の天職であり、人生そのものだ、と考える人たちが、たくさんいるのだ。
部活顧問の妻の中には、同じ部族の出身であれば、それに理解を示すだろうが、そうでなく単に「高校の先生と結婚した」と思っている女性にとっては、結婚した翌日から「寡婦」のような生活が待っていることになる。
日本の高校には「常軌を逸している」指導者が存在するのだ。多くの学校ではそれが「わが校の誇り」「教師の鑑」のように言われてきた。
しかし教えを受ける生徒にしたところで「部活以外何もできない」ような高校生活を送ることが「有意義」とは限らない。
高校教師の「やりがい搾取」の問題は、文科省、教育委員会、学校が、教師の「善意」を搾取したという一面があるが、同時に「部活顧問」を勝手に「天職」と思い込んだ教師が「頼まれもしないのに」「搾取されに行った」という側面もあるのだ。

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2023年森原康平、全登板成績

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その犠牲になるのは「家族」だった。
「家族旅行は一度もしたことがありません」
「子供の運動会や保護者参観に行ったことがない」
「新婚旅行の途中で抜け出して、試合を見に行きました」
そういうのを「武勇伝」のように言う指導者もいた。彼らにとっては「部活」とはそういうものだったのだ。
そして最後に必ず「家族の理解があって部活顧問ができている」というのだった。
私は「家族は本当に大変だろうな」と思った。

この手の部活顧問は、自分自身も「部活に人生を賭けている」ような指導者の指導を受けていたことが多い。
よく聞いたのは
「私は●●先生に3年間、毎日指導を受けてきました。私も、先生のようになりたくて、大学で教職をとって教師になり、部活の顧問になりました」
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日本には「部活顧問」という「変わった部族」がいるのだ。残業代もろくに支払われないのに、生活の大部分を部活に捧げ、生徒たちと濃密な時間を過ごすことこそが、自分の天職であり、人生そのものだ、と考える人たちが、たくさんいるのだ。
部活顧問の妻の中には、同じ部族の出身であれば、それに理解を示すだろうが、そうでなく単に「高校の先生と結婚した」と思っている女性にとっては、結婚した翌日から「寡婦」のような生活が待っていることになる。
日本の高校には「常軌を逸している」指導者が存在するのだ。多くの学校ではそれが「わが校の誇り」「教師の鑑」のように言われてきた。
しかし教えを受ける生徒にしたところで「部活以外何もできない」ような高校生活を送ることが「有意義」とは限らない。
高校教師の「やりがい搾取」の問題は、文科省、教育委員会、学校が、教師の「善意」を搾取したという一面があるが、同時に「部活顧問」を勝手に「天職」と思い込んだ教師が「頼まれもしないのに」「搾取されに行った」という側面もあるのだ。

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名前は出しませんが誰もが知ってるねずみの国でも問題になりましたね。憧れる夢の世界で働きたいという希望で釣って「やりがい」という魔法の言葉で洗脳して搾取する、非正規のアルバイトに異常なプロ意識を強要。誰かが犠牲にならないと幸せになれない仕組みは間違っている、そしてそれを美談にしてしまうメディアはもっとクソ。日本社会の悲劇だと思います