ダルビッシュがジーターやA-RODと対戦したらどうなるのか。素朴だが、日本のすべての野球ファンの夢だ。それが実現する。しかも投げ合うのは黒田博樹。
Dar-Kuro20120425




ジーターは初球を打って遊ゴロ。これ、かなり助かった。グランダーソンを歩かせたが、コマンドに問題があったわけではない。攻めた上での四球だ。A-RODはおあつらえ向きのスライダーで三振。素晴らしい。カノは四球。
アウトコースにきちっと4シームが来ている。これまで最高の立ち上がりだ。アーリントンパークは沸いている。
黒田はいきなりキンズラーに本塁打。スライダーだが、落ちも曲りもしていない。

しかし、この日はシンカーがきれいに決まっている。落ち着いて後続を凡退させた。このところスプリッター(フォーク)を早い回から使う黒田だが、ハミルトンもアンドラスもこれに引っかかった。やや高いのが気になるが。

2回、ダルの課題は下位打線。ニューヨーク・ヤンキースの下位打線は、他チームの中軸より怖い。タシェアラの二球目、MLBではスプリッターと表記していたが、チェンジアップ。恐らくMLBで初めて。切れがいい。スライダーを泳がせた。今日は打者をどんどん追い込む。追い込まれて、スイッシャ―、イバニェスともに変化球が来るのが解っていながら振らされた。

上々だ。

風がかなり強い、変化球にも影響が出そうだ。

黒田は変化球でヤングを打ち取る。ベテランの味だ。クルーズは外側にせめて遊ゴロ。マーフィーは捕手の構えた所に速球を投げ込んだが右安打。

しかし、黒田のコントロールも素晴らしい。

外から中に入ってくるシンカー(シュート)、小さく曲がるスライダーが、捕手マーチンの構えた所に決まっている。芸術的だ。ナポリを見事に三振に切って取った。

3回、ダルはチャベスに安打を打たれ、マーチンを歩かせる。マーチンの最後のスライダーは素晴らしかったが、審判バーレットの手が上がらない。ジーター、ここでなんとプッシュバント。ダルは一塁に任せる気でいたが、モアランドは出てこず。内野安打。何といやらしい。満塁。しかし今日のダルは違う。グランダーソンに粘られるも三振。そしてA-RODには黒田のシンカーよりは小さな変化のシュート(シンカー)を投じてゲッツー。しびれる場面だった。

黒田は3回、タシェアラの反応の良い守備に助けられる。続くキンズラーは3ゴロに打ち取るが、曲者アンドラスを歩かせる。この対戦も面白かった。アンドラスはハミルトンの3球目に盗塁、ハミルトンの安打で2点目。
ボールがそれたすきにハミルトンが二進。いやらしい形で得点圏に進む。ベルトレは三振するが、走者が塁に出ると黒田の投球の質は少し落ちる。

どちらも打線が良いために、少々の難しい球でも安打にしてしまう。

4回、ダルビッシュ。いい当たりではなかったがカノが二塁打。しかし、ここからがすごかった。カッター、カーブ、スライダー、変化球のオンパレードで2者連続三球三振。イバニェス2ゴロ。凄味がある。
黒田はスライダーが良くない。先頭ヤングはジーターがいいところに守っていて遊ゴロ。
マーフィとナポリはシンカー系で三振。苦労はしているが持ち球のシンカーが生きている。ただ、球数は多い。

5回、ダルは2シームを使いはじめた。ジーターには、速球が通用するか試している。低く外れたが、MLBへきて最速の156km/h。しかしジーターは軽くいなすようにスライダーを振り切って二塁打。グランダーソンは1ゴロ。改めてジーターはいい打者だと思う。

黒田はすでに70球を超えた。1死後キンズラーが歩きアンドラス。打つ気を全く見せない。キンズラーが一塁でかく乱する。しかしエンドランが裏目に出て二塁カノが走ってくるキンズラーにタッチして一塁へ。併殺。

6回、A-RODはダルに全く手が出ない。2ゴロ。カノの当たりは打ち取ったがセンターに抜けた。やや憮然とするダル。しかしタシェアラを勢いのあるカッターでセンターフライ。勝っている。スイッシャ―も1ゴロ。少ない球数で打ち取っている。完投ペースか。

黒田はハミルトンを2ゴロに打ち取る。ハミルトンはきょう2回目のバット投げを披露した。三者凡退。スライダーが指に引っかかり出した。

7回、ダルは冴えわたる。イバニェス、チャベスを連続三振。思わず、ガッツポーズをしかかる。マーチンに安打を打たれるがジーターを0-2に追い込む。観客が立ち上がる。ナポリがマウンドに駆け寄り、間を取る。1球ボールの後空振り三振。完全に去年のダルビッシュ打。全身がドヤ顔である。

黒田はこの回までか。安定感が出てきた。クルーズを内野フライ。マーフィーを当たり損ねの中飛に打ち取るが、ナポリに安打を打たれたところで降板。
今日は良い黒田だった。しかし、ダルがすごすぎた。

8回、ダルは勝負を楽しんでいる。A-RODに速い球を投げ込んでからスライダー。強い当たりを打たれるが遊ゴロに。A-RODは4タコ。カノを0-2に追い込んで、ピッチャーゴロ。きわどいタイミングだったがアウト。
ベンチでワシントン監督がダルと話す。「行くか?」「もちろん!」。

9回、タシェアラは簡単に打って中飛。しかしスィッシャーが安打が出たところでワシントン監督がマウンドへ。ネイサンにチェンジ。観客のスタンディングオベーションにダルは軽く挨拶。イチローもこれは許してくれるだろう。

完封はお預け。これがMLBの流儀だから仕方がない。不満そうなダルにワシントン監督が近寄り、肩を叩いた。犬をあやすようだ。

ネイサンの方が、NYYにとっては確実にくみしやすいのだが、ネイサンは簡単に併殺に切って取った。
この投球ができるのなら、ダルビッシュは無敵だ。基本は左打者のアウトコース外側に速球系でストライクが入るかどうか。

1勝3敗となったが、黒田も信頼をつないだし、日本人にとって言うことない試合だった。
さあ、仕事をしよう!

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