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内田樹が、昨今の日中の緊張状態で、「中国からの留学生が来なくなったら、日本の大学院は自然科学分野も含めて定員割れしますよ・・・」とコメントしたところ、「日本の大学院が『中国人の為』に存在してんだったらそれこそ不要やろ」「いいじゃないか、定員割れしたって。そもそも中国人留学生によって定員が維持されている現状が異常なんだよ」などと言うコメントがあふれたという。
仏文学者の内田樹はれいわ新選組の支持者で、だから「左」と言うことになるが、都市論や文化論などで鋭い意見を発している論客だ。また大学の現状にも精通している。

今の大学は国際化が進んでいる。ほとんどの大学が世界から留学生を受け入れている。経営的にも留学生は小さくないウエイトを占めているが、それ以上に留学生が研究に果たす役割は大きい。
ほぼすべての学問分野で、世界的なネットワークが構築され、国境を越えた学問成果が挙げられている。ノーベル賞でも、複数の国の研究者が一つの賞を分け合うのが当たり前になっている。

中国は独裁国家で人々の人権や言論の自由は制限されているが、同時にビジネスの世界では国家が後押しをして人材育成をし、経済発展を遂げてきた。今や、世界中の大学や研究機関に中国の研究者が進出し、多くの成果を上げている。

今、中国が日本の大学から留学生や研究者を引き上げてしまえば、困るのは日本の側だ。経済的な面以上に多くの研究分野で研究が遅滞するだろう。これが一番の問題だ。
この間問題になった東大阪大学のように、留学生を受け入れることで経営が成り立っている大学もなくはないが、そういう大学は泡沫であって、大きな問題ではない。
多くのまともな大学では、中国人はじめ海外から来た人が研究の主要なポジションを占めている。「研究の国際化」とはそういうことだ。

しかし、今のネット民は、そういう低次元の大学のことしか頭にない。だから「中国人の留学生なんて全部いなくなってもいい」という極論、暴論になってしまうのだ。

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すこしまえなら世間は、こんなバカな意見、一笑に付したはずだが、SNS全盛の今はこの手の馬鹿な意見がどんどん拡散される。
そして参政党やN国党など、こうした声にそれに乗っかる政党があるのだ。維新や自民党にもそういう政治家がいる。

アメリカでは、こうした極論、暴論、愚論をまとめたドナルド・トランプが政権を収奪し、ハーバード大など世界的な大学、研究機関に圧力をかけている。

しかしトランプ政権は、当然の帰結として、政権300日足らずでほころびを見せている。

高市政権が、トランプ政権のように愚かな政策を実施するとは思えないが、その支持者の中にリテラシーが低く、脊髄反応でものをいう人間が少なからずいることに危機感を覚える。
バカが世論をつくる時代は、きわめて危険な時代だといえよう。




Note


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