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人類は悲しからずや左派と右派  麻生路郎
昭和の昔までは、日本では「左翼」とは共産主義、社会主義者、その支持者のことであり「右翼」とは、国粋主義者や保守主義者のことを言った。
しかし今は、その機軸が完全にぶれている。

今、左翼とは、自分と違う意見の人たちを「右翼」「ネトウヨ」と呼ぶ人たち、右翼とは、自分と違う意見の人たちを「左翼」「パヨク」と言う人たちだ、というべきではないか。

もともと「左翼」とは、政権に対して批判的な政治勢力=野党、「右翼」とは、政権を支持する勢力=与党のことだった。日本では長く自由民主党が政権党だった。自民党は基本的に保守政党だから、保守主義=与党=右翼、野党は社会党や共産党など社会主義政党だったから社会主義=野党=左翼と言うざっくりした色分けがあった。

しかし1991年に社会主義、共産主義の「本山」であるソビエト連邦が崩壊し、東ドイツも崩壊し、自由主義体制と対抗する社会主義体制は実質的に消滅、日本でも社会党など左翼勢力が衰退した。

それもあって21世紀以降は「左翼」「右翼」の基軸が大きくずれてしまった。

今の日本の「左翼」「右翼」は、アメリカの「民主党」「共和党」の区別に近いかもしれない。民主主義を重視し、人権や言論の自由を重視する民主党=リベラル=左翼、企業の経済活動を優先し、小さな政府を支持する共和党=自由主義=右翼、というところか。

ややこしいのは、日本の政権党である自由民主党は英語ではLiberal Democratic Partyという。保守政党のはずが、いの一番に「リベラル」という名称が入っているのだ。

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確かに自民党には、吉田茂の流れをくむ「宏池会」のように、アメリカの民主党のような考え方の派閥から、安倍晋三に代表される「清和会」のようにアメリカの共和党、それも右派のような派閥までが含まれる。
維新は「清和会」に近い右派だといえるが、新自由主義を信奉しているから共和党に近いともいえる。
また野党にも、共産党のような社会主義から、社民党、れいわ維新のような民主社会主義、公明党のような中道リベラルまで多様だ。

要するに「右翼」「左翼」という言葉は、どんどん変質しているのだ。

最新の考えでは、既存のメディアを「オールドメディア」「マスゴミ」と見下して、根拠不確かなSNSの情報を信じて騒ぐ連中を「右翼」、守勢一方の既存メディア、その信奉者を「左翼」「リベラル」と呼ぶような感じだ。

この手の「右翼」が政権を執ると、トランプ政権みたいなハチャメチャな国ができるのだと思っている。あくまで個人の見解だが。



Note


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