巨人が菅野を今年も1位を指名すると発表したことの記事については、予想通りいろいろなコメントをいただいた。ヤクルトやロッテが昨年、同様の発表をしているではないか、というご意見もあった。
私は別に、今季ドラフトの方針を今発表することに問題があるとは思っていない。「今、巨人がそうすべきか」について書いたのだ。巨人という企業のリテラシーの欠如、そして世間に対する感覚の鈍さを嗤ったわけである。内部的に菅野指名を決めるのは勝手だが、それを世間に発表することの問題を衝いたのだ。

業績不振が世間を騒がせている有名企業が、そのさなかに来季の採用計画を発表することは、普通考えにくい。しかもその業績不振が、人材の採用と登用に起因していると考えられるときに、既定の方針を見直さないと表明する愚を指摘したのだ。

その背景には「面子」へのこだわりと、「ファン」「世間」がどう思うかを忖度する感覚の欠如がある。メディア企業であるにもかかわらず、細やかな感性が磨滅していると思う。

巨人は、企業として、チームとして体質を変革すべき時に来ているのは明白だ。



蛇足ながら、私がアンチ巨人だからこうした記事を書いているとのご指摘も受ける。確かにこの世に生を受けてからただの1秒も巨人ファンだったことはない。しかし「嫌いだ」はブログを書く原動力にはならない。毎日悪口だけでブログが書ける人もいるかもしれないが、私にはできない。「ブログの書き方」みたいな本をお読みいただければわかるが、ブログの原動力は間違いなく「好き」だ。私は毎日「好きな野球」について書いている。

「反巨人原理主義」とは、頭の固そうな言葉だと思うが、イスラム原理主義が、世俗法を否定しクルアーン(コーラン)に戻ってものごとの原則を考えようとする立場であるのと同様、「反巨人原理主義」も、NPB存立の精神、理念に基づいて今の巨人に異を唱えるという意味では、間違いではないと思った次第。でも、売り言葉に買い言葉的だったので、以後は使いませんが。

私がことさら巨人について舌鋒を突き立てるのは、巨人のNPBにおける影響力が未だに大きいうえに、最も頑迷だからだ。それが讀賣、全国紙という企業の体質に起因するのは間違いないが、巨人という「企業」がパラダイムシフトを起さない限り、早晩、NPBはMLBに飲み込まれていくだろうし、存立が危うくなるだろう。

私は朝日新聞がピンポンダッシュして終わった「契約金」問題も含め、ビジネスモデル、企業としてのNPBのあり方がどのように遷移したか、を書く準備をしている。「蟷螂の斧」と笑われるのは承知の前である。その際にも巨人が最大のテーマになるのは間違いないところだ。

スポーツマネージメントや企業経営の分野では、意外なほどに巨人の経営、マネージメントの問題を指摘している論文がいくつか見つかった。経営学の一部分野では、今の巨人は格好の事例になっているようだ。そういうものも参考にしながら、日本の野球の原初に立ち戻って考えてみたいと思っている。

この稿では、巨人のスカウト、育成について書こうと思ったのだが、前置きが外法頭のように長くなったので、稿を改める。

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