
アメリカ出身のローマ教皇レオ14世との論争で、トランプは低次元ぶりをさらに露呈した。彼はAI画像で自らがキリストであるような画像を投稿、カトリック信者などに非難されて、取り下げたりしている。
「いよいよトランプは気がふれたか」とみる人も多いが、こうしたアピールには一定の意味があるとみるべきだろう。
トランプは当初、アメリカの保守主義を代表する候補として大統領に当選した。自由主義経済、小さな政府を主張する共和党の考え方を推進すると思われた。
しかし、一次政権でのコロナ対策の失敗や、選挙での敗北を認めず国会議事堂を襲撃した事件などで、穏健でまともな共和党支持者の支持を失っていた。
バイデンの不人気や経済政策の失敗などもあって、トランプは4年ぶりに返り咲いたが、今回は共和党主流派の政治家や官僚などは閣僚、スタッフに起用せず、自らに忠実な極右の政治家や、インフルエンサーなど雑多な「人材」を起用。
権力を背景に、対立する政党、政治家、言論機関、リベラルな勢力、研究機関などを弾圧してきた。
挙句の果てにベネズエラの大統領を拘束し、イランに戦争を仕掛け最高責任者を殺害した。
まさに「暗黒独裁」で世界を混乱に陥れた。
従来の共和党支持者、トランプ支持者の多くは距離を置くようになったが、そんな中で「岩盤支持層」である「キリスト教福音派」はほとんど動揺していない。
「キリスト教福音派」は、特定の宗派ではない。プロテスタントが中心だが、少数のカトリックもいる。
戦後、公民権運動、中絶解禁、LGBT容認、エコリズムなどリベラルな政治改革が進んだアメリカで、これに強く反対する白人のキリスト教徒が、次第にまとまって大きな勢力となったものだ。
「福音派」は聖書の記述をそのまま信じる。科学の進化などには否定的で「反知性主義」を標榜していた。
彼らをまとめたのは、テレビ、ラジオだ。ビリー・グラハムなどの伝道師の放送は、全米で熱狂的な支持を集め、信者の巨大なまとまりができた。

福音派は当初、民主党のジミー・カーターを支持したが、彼が大統領に就任後、リベラルな政策を打ち出すと次に共和党のロナルド・レーガンを支持した。この時期、すでに大統領を生み出すほどの力があったのだ。
21世紀に入ってグローバル化が進むと、福音派の白人はますます時代から取り残されたが、ドナルド・トランプは福音派の支持を取り付ける目的もあって、白人中心主義で、反エコ、反LGBTなどを訴えて大統領になった。
福音派は近年、ますます先鋭化している。伝道師は「イスラエルのエルサレム支配が成就するとキリストが再臨する。そして最終戦争(ハルマゲドン)が起こり、福音教徒はキリストによって天上に携挙され、白人以外の人類や他教徒はすべて滅亡する」と説いている。
トランプによるイラン攻撃、イスラエルの中東攻撃は、福音教徒からすると「聖書の預言通り」であり、トランプはキリストの代行者、あるいはキリストそのものとして預言を実行している、と見えているのだ。彼の「キリスト気取り」は、福音教徒をはっきり意識したものだろう。
全米に約1億人いるとされる福音教徒の多くは、まだ有権者登録をしていないとされる。中間選挙ではトランプの共和党の敗北は必至とみられているが、大番狂わせの可能性もあるし、さらにはトランプが、政治体制の転換に動く可能性さえあるだろう。

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しかし、一次政権でのコロナ対策の失敗や、選挙での敗北を認めず国会議事堂を襲撃した事件などで、穏健でまともな共和党支持者の支持を失っていた。
バイデンの不人気や経済政策の失敗などもあって、トランプは4年ぶりに返り咲いたが、今回は共和党主流派の政治家や官僚などは閣僚、スタッフに起用せず、自らに忠実な極右の政治家や、インフルエンサーなど雑多な「人材」を起用。
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従来の共和党支持者、トランプ支持者の多くは距離を置くようになったが、そんな中で「岩盤支持層」である「キリスト教福音派」はほとんど動揺していない。
「キリスト教福音派」は、特定の宗派ではない。プロテスタントが中心だが、少数のカトリックもいる。
戦後、公民権運動、中絶解禁、LGBT容認、エコリズムなどリベラルな政治改革が進んだアメリカで、これに強く反対する白人のキリスト教徒が、次第にまとまって大きな勢力となったものだ。
「福音派」は聖書の記述をそのまま信じる。科学の進化などには否定的で「反知性主義」を標榜していた。
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福音派は近年、ますます先鋭化している。伝道師は「イスラエルのエルサレム支配が成就するとキリストが再臨する。そして最終戦争(ハルマゲドン)が起こり、福音教徒はキリストによって天上に携挙され、白人以外の人類や他教徒はすべて滅亡する」と説いている。
トランプによるイラン攻撃、イスラエルの中東攻撃は、福音教徒からすると「聖書の預言通り」であり、トランプはキリストの代行者、あるいはキリストそのものとして預言を実行している、と見えているのだ。彼の「キリスト気取り」は、福音教徒をはっきり意識したものだろう。
全米に約1億人いるとされる福音教徒の多くは、まだ有権者登録をしていないとされる。中間選挙ではトランプの共和党の敗北は必至とみられているが、大番狂わせの可能性もあるし、さらにはトランプが、政治体制の転換に動く可能性さえあるだろう。

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