あと一本に迫っていたのだから、2000本目の安打を打ったことは驚きでも何でもない。早いスイングで右前へ。いい当たりだった。しかし、稲葉は本当に凄いのだ。何しろ40歳を迎える「今」が全盛期なのだから。
昨年5月の小笠原道大のときにも紹介したのだが、2000本安打を打った選手が、どのタイプに属するのかを示したマトリックス。

塁打を安打で割った平均塁打を縦軸、打率を横軸にした。平均塁打も打率も高い選手を「大打者」、平均塁打だけ高い打者を「スラッガー」、打率だけ高い打者を「安打製造機」、そして平均塁打も打率も低いが2000本を打った打者を少しきつい表現だが、「永年勤続」とした。福本豊がこのゾーンにはいるのはやや残念だが、打率が足りない。打席が多く回る1番打者がここに収まることが多いのだ。

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率直に言って、稲葉篤紀は、若いころはとても2000本安打など打つ打者とは思えなかった。レギュラーさえ覚束なかったし、成績も不安定だった。FAでMLBに移籍しようとしたがどこからもオファーがなかったのはむべなるかな、という感じだった。

日本ハムに入団して主軸を打っていたとはいえ、2000本安打は「長くやっていたご褒美」で、当然このマトリックスでは「永年勤続」にいると思ったのだが、何と「スラッガー」の下の方にいる。しかも「大打者」にも近い。これは驚いた。中距離打者の典型のように思っていた稲葉が、ここまで成績を伸ばすとは。

1歳下で、1年早く2000本安打を達成した小笠原道大が、嘘のように打撃不振に陥り、スタメン落ちをしているのと対照的だ。

キャリアSTATS

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35歳以降の数字が素晴らしいことがわかる。
35歳以降のトータルの数字。

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何と打率3割、OPS.836、RC27は6.52。キャリアの平均を大きく上回っている。

私は昨年、日本ハムの試合を何試合か見たが、稲葉は試合前のバッティング練習で、チームの誰よりもスタンドに放り込んでいた。統一球の影響などみじんも感じさせなかった。まるで1歳年下のイチローを見るようだったが、稲葉は40歳目前にしてまだ、進化しているのではないか。

この2000本安打は、稲葉にとって通過点に過ぎないのだろう。

※マトリックスの打率、ずらしました。これ、試してみたのですが、選手の分布バランスが悪くなったので、上記の表にした次第。選手の評価が変わるわけではありませんが、イメージが変わります。いかがでしょうか。たった一本の線で、データは変わりますね。

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