昨日の清武会見によって、やや色あせた感はあるが、ヤクルトの青木宣親が、MLBへの挑戦を宣言した。笑顔が全くなかったのは、今のMLBでの日本人の評価が決して高くないこと、そしてこの挑戦が甘いものではないことを本人が認識しているからだ。
青木の年度別成績。



あと100打数あれば、青木は4000打数以上のNPBの歴代最高打率に躍り出たはずだ。青木がNPB最高のアベレージヒッターであるのは異論がない。そういう意味ではイチローの後継者と言えるだろう。
数年前であれば、青木のMLBでの選手生活は輝かしいものになる、という明るい展望を抱くことができたはずだ。しかし、ここ数年の日本人選手のMLB挑戦の記録を見ていると、全く楽観視ができないことがわかる。
イチロー以降、MLBに挑戦した野手のNPB最終年の成績と、MLB1年目の成績の比較。

西岡剛のMLB挑戦の時にも掲げた表の改訂版だ。イチローも含め、NPB時代より成績が上がった選手は皆無だ。すべての選手が数字を落としている。特に著しく下落するのが本塁打。ほぼ三分の一に急落する。NPB最高のスラッガーだった松井秀喜も、前年30本以上打っていた松井稼頭央、岩村明憲も本塁打数は激減した。
表の最下段の赤色の数字は、MLBに挑戦した日本人選手の数字の下落率を、青木に当てはめ、来季の予測をしたものだ。青木は.265くらいしか打てないことになる。
外野手の青木は内野手に比べてけがのリスクは少ない。出場試合数が大幅に落ち込むことはないと思うが、この数字は合格点とは言えないだろう。
統一球導入、審判部再編によって今年のNPBの打者成績は大きく下落している。そのことを加味すれば、青木の成績はもう少し上がるのではないか、という考えもあろう。しかし、西岡剛の予想外の大不振を考えれば、楽観視はできないと思われる。
もう少し青木の数字について考えたい。稿を改める。
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西岡剛のMLB挑戦の時にも掲げた表の改訂版だ。イチローも含め、NPB時代より成績が上がった選手は皆無だ。すべての選手が数字を落としている。特に著しく下落するのが本塁打。ほぼ三分の一に急落する。NPB最高のスラッガーだった松井秀喜も、前年30本以上打っていた松井稼頭央、岩村明憲も本塁打数は激減した。
表の最下段の赤色の数字は、MLBに挑戦した日本人選手の数字の下落率を、青木に当てはめ、来季の予測をしたものだ。青木は.265くらいしか打てないことになる。
外野手の青木は内野手に比べてけがのリスクは少ない。出場試合数が大幅に落ち込むことはないと思うが、この数字は合格点とは言えないだろう。
統一球導入、審判部再編によって今年のNPBの打者成績は大きく下落している。そのことを加味すれば、青木の成績はもう少し上がるのではないか、という考えもあろう。しかし、西岡剛の予想外の大不振を考えれば、楽観視はできないと思われる。
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コメント
コメント一覧
本題の青木ですが、最大のネックはやはり長打力不足でしょうね。海外移籍組の中ではかなり非力な部類に入りますから。西岡には申し訳無いのですが、彼の全局面における不振はNPB野手の信頼度低下にトドメを刺した感があります。今回はMLB各球団もこれまで以上に慎重になるはず。それは青木も100も承知で、移籍を直訴したのでしょうが。
その断固たる決意を、向こうに溶けこむエネルギーにして欲しいと思います。問答無用に圧倒的な能力があれば別でしょうが、日本における助っ人外国人同様に、結局はあちらさんのベースボール文化・チーム文化にフィットするか否かが成功の鍵を握っているはず。
これからも更新を毎日の酒のつまみにさせていただきます。
さて、青木ですが、私はこれまでの日本人野手とは異なって期待しています。
というよりは、最後の砦だとさえ思っています。
青木が現在の日本最高のアベレージヒッターであることは疑いないと思います。打率という誤差の大きいSTATSで「7年連続打率7位以内」は、セリーグでは若松の「7年連続打率8位以内」以来の快挙です。
また、イチローと大きく異なるのが出塁率を意識している点です。
2010年までで「4年連続出塁率2位以内」は、HR数が少ない選手にとって大変な快挙です。
出塁率上位は通常HR数上位選手で占められているため、年間HRが10本強の青木が際立ちます(ただし、ここ数年はHR数の少ない選手でも上位に来る選手が増えていますから、多少言いすぎの面もあるかもしれません)。
その出塁率の高さの根拠はSO/BBの高さから証明できます。
昨年、今年と続けて規定打席到達者の中ではリーグ3位。
SO率の低さは今年はリーグ2位でした。
SO率の低い選手といえば、同僚の宮本が有名ですが、彼はBBが極端に低い「早打ち」の選手です。
その意味では青木の「球を見極める」能力の高さがうかがい知れます。
MLBで必要とされる選手は出塁率の高い選手であり、四球を稼ぐために長打力を身につけるべきとは『マネーボール』でも記されているところですが、長打力がないなりに磨いてきた青木の「球を見極めて打ち返す能力」は現在の日本最高と言えるでしょう。
彼が能力的にMLBで通用しないとは思えません。
あとはチームや異文化への親和性、長期移動と過密日程に耐える頑強さ次第ではないでしょうか。
所属する球団(球場)によっては本塁打0本ということもあり得ますから、それを補うだけの高い出塁率を残せないと、早々に見切りをつけられる恐れもあります。
私がものさしに使用するのは70年代のメジャーリーガーです。イチローはロッド・カルー、松井秀はクリス・チャンブリス等。
希望としてはトニー・グィンのようになってもらえればうれしいのですが・・・。