球場のフェンスの内側で一番いい当たりは、たいてい二塁打になる。二塁打は、打者が完璧に振りぬいた当たりなのだ。昨日、日本ハムの稲葉篤紀はNPB史上11人目の400二塁打を放った。これは大記録だ。
NPBで300二塁打以上を打った打者。現役打者の記録は昨日まで。

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稲葉は野村克也を抜いた。上位には日本を代表する大打者が居並んでいる。立浪和義が二塁打王だ。
300二塁打以上を打った打者は58人もいるが、400二塁打は稲葉で11人目。300本塁打は36人だが400本塁打は17人。

これは、ベテランになってから二塁打を積み上げるのが大変難しいことを意味している。本塁打は経験とタイミングでベテランになってからも生産できるが、スイングが遅くなり、芯に当てる技術が衰え、脚力も衰えると二塁打は減っていくのだ。

二塁打が多い打者を中距離打者というが、中距離打者とは打撃の精度が高いうえに、脚力もある打者のことだともいえよう。

次に二塁打率を見ていく。打数4000以上の打者251人のベスト50。

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初代ミスタータイガース藤村富美男が唯一6%超え。いまやその雄姿を知る人もほとんどいないが、この大打者のすごさの一端が見えてくる。今の選手よりもはるかに長いバット38インチ(96cm)の“物干しざお”を振り回す豪快なイメージがあるが、バットに当てる技術、それをきれいに振りぬく技術が抜群だったのだ。火の出るような打球を打ったことだろう。

現役選手が上位に多い。最近の打者の打撃の精度が高いことを意味していると思う。不思議なことに、福浦和也、田宮謙次郎、山内一弘、愛甲猛、初芝清、サブローと10傑に6人もの毎日、ロッテに在籍した選手が並んでいる。以前、このブログで、毎日、ロッテには似たタイプの中距離打者が多いと紹介したことがあるが、それらの打者はNPB史上でも屈指の“二塁打打ち”でもあったのだ。

⇒ 千葉ロッテマリーンズにとって、サブローはどんな選手だったのか?|野球史

統一球の時代になって、二塁打の重要性は高まっている。統一給導入前の2010年と2011年の各リーグの二塁打率、本塁打率の変遷を見る。

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二塁打も25%程度減っているが、本塁打が55%減になるなかで、相対的な重要度は高まっていると言えるだろう。試合を決めるショットは本塁打ではなく二塁打になりつつある。

稲葉の記録は、もっと称賛されてよいと思う。

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