東北楽天イーグルスは、定岡卓摩の1軍昇格を発表した。良く知られている通り、南海ホークスの名遊撃手だった定岡智秋の二男。叔父は巨人で活躍した定岡正二。
定岡卓摩のキャリアSTATS。

Takuma-sadaoka20120619




何気なく数字だけを見ると、半レギュラーの選手かと思ってしまうが、これはすべてファームの数字なのだ。1軍での成績はなし。
2004年ドラフト7位で福岡ソフトバンク・ホークスに入団するも、2年で戦力外に。合同トライアウトを受けて千葉ロッテに移籍するも2011年にまた戦力外。そして今年、楽天に拾われて、8年目にしてようやく1軍に昇格したのだ。

福岡大城東高校時代は父親譲りの鉄砲肩で投手としても鳴らしたし、九州に鳴り響くような本塁打者だった。
しかし、わずか2年で父親もいたホークスの流れをくむソフトバンクをクビに。さらにロッテでは2軍の中軸を打ちながら一度も一軍から声がかからなかった。

素行が悪かったとか、やる気がなかったとか言われているが、そうではないと思う。ただ数字を見ると、三振がやたら多く、四球が少ない。打率も低い。大きいのを狙って振り回す打者だったのは間違いがない。

今のNPBは、非常に高度な作戦を展開する。ときおり大きいのを打つだけの選手は使いにくかったのかもしれない。そういう役割は外国人選手が担うのだ。

しかし、8年間、2度も首になりながらファームで試合をし続けたというのは、見方を変えれば偉大な記録ではないか。

四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスには、2005年から今年まで現役生活を続ける梶田宙という選手がいるが、マイナーリーグで選手生命をつなぐのは、本当に大変なことだと思う。奇しくも高知の監督は、定岡卓摩の父、定岡智秋だ。

まるで蝉のように8年間もマイナーに潜っていた定岡卓摩。彼の夏が長いか短いかはわからないが、精いっぱい鳴いて自己主張してほしいと思う。

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